●サバイバー●取材・執筆/本誌編集部
オンラインでの入力作業を終え、「面接」へと進んだ読者も多いことだろうが「面接」はこれから、という人のためにロンドンの金融街、シティのビザセンター(Mark Lane. Service Point)で受けた「面接」の体験ルポをお届けしたい。
ビザセンターでの「面接(appointment)」について
―追加情報 その2―
永住権を保持しているものの過去に Biometric Residence Permit (BRP)を申請したことがない場合、eVisa申請に際し、最初のステップとしてNo Time Limit (NTL)のBRPを入手する必要があることは
および にてお知らせした通りだ。UKVIの公式サイト上での入力作業のあと、UKVCASでの「面接」を終えれば申請作業は完了。ホーム・オフィスによるNTL BRPの審査を待つことになる(現時点での待ち時間の目安は8週間)。NTL BRPが得られたら、eVisa申請(オンラインでの作業)へと進む仕組み。● UKVIとは…「UK Visas & Immigration」の略。ホーム・オフィス内で移民に関する業務を執り行う。本稿でいう「移民局」はこのUKVIのこと。
● UKVCASとは…「UK Visa and Citizenship Application Services」の略。ホーム・オフィスと提携し、「面接」業務を行う。
ここがポイント
● 「面接」と本稿では便宜上呼んでいるが、ホーム・オフィスの審査官との面談があるわけではない。ホーム・オフィスから委託されて業務を請け負っているビザセンター(正確には「サービス・ポイント」)で、顔写真の撮影、指紋採取、現在有効なパスポートの顔写真が貼られているページのスキャンが行われる。
❶ UKVCASのMark Lane. Service Pointを選択。
● 今回、「面接」を受けたのは、在英30年の編集部員A。オンラインでの入力作業を7月上旬に終え、UKVCASの公式サイトで「面接」の予約作業を行った。
● 各ビザセンターごとに、「面接」可能な日時と料金が提示される。英国内のどのビザセンターを選んでも良い。4週間後の予約が可能で空き情報は毎日更新される。料金は場所と日時で異なり、£0~£299。最も一般的なのは£143の予約スロット(時間枠)。日時を先にするほど、無料スロットを予約できる確率があがる。
● 編集部員Aはロンドン中心部から一番近いビザセンターである、シティの「London Mark Lane. Service Point」で、オンラインでの入力作業完了からちょうど4週間後にあたる8月2日午後5時という無料スロットを予約。
● スタンダード・サービスの無料スロットを予約したので、自分で申請用サポート書類をスキャンしアップロードすればまったく費用は発生しなかったのだが、編集部員Aは【Document scanning】(£56)と【Proof of attendance】発行サービス( £2)を予約。【Proof of attendance】は、「面接」を受けたことを証明する書類の発行サービス。氏名のほか、ビザサービスの場所、時間などが記されるので、NTL BRPの審査待ちであると説明したりするのに役立つと判断し、料金を支払った。
❷ いよいよ当日。シティのMark Laneへ。
● 「面接」を予約し、支払いが完了すると、QRコード付きの予約完了レターがメールで送られてくる=画像。「面接」当日はこのレターを必ず持参すること。なお、「面接」前日にも、リマインダーとしてメールが送られてくるが、待合スペースが限られているので、当日は予約の時間より早く来すぎないようにとの注意書きがあった。
● 編集部員Aが当日持参した書類は次の通り。
- 必須
- 「面接」の予約完了後にメールで送られてくるQRコード入りのレター。
- 必須
- 現在有効であるパスポート。その場で、顔写真が貼られているページに加え、スタンプが押されているすべてのページがスキャンされた。
- スキャン・サービス用
- ★ 英国の現住所が証明できる書類(念のため、直近3ヵ月以内の光熱費関係の請求書を持参)。
- ★ オリジナル(一番最初に発行されたもの)のスタンプやステッカーが確認できるパスポートと、それ以降に発行されたパスポート。
- ★ カウンシル・タックスの請求書、26年分。
- ★ 雇用主の署名入りレター。在籍期間と、その期間中、英国に居住していたことを「コンファーム」する内容の文書を会社のレターヘッドに印字してもらった。
- ★ オンラインでの作業時に 【4. Declaration】で、印刷した上で署名するように求められた書面(Consent form)。入力情報や提出書類に虚偽の内容が含まれていた場合は申請が却下され、さらに罪に問われる可能性があることを理解した旨などを告げる内容。
● 午後5時までビザセンター(トイレあり)そばで待ち、時刻ちょうどに中へ入った。5分ほど待たされた後、「面接」は30分で終了した。
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週刊ジャーニー No.1354(2024年8月8日)掲載