ぶらりんぐロンドン

ジャーニー編集部がロンドンの街をぶらりとレポート

宿泊もできる!墓に囲まれた「ベックフォーズ・タワー」


バースの街の中心から、バスで20分ほど高台をのぼったところに、「ベックフォーズ・タワー&ミュージアム」があります。ここは知る人ぞ知る観光スポットで、作家・美術評論家で政治家でもあったウィリアム・ベックフォードが、収集した美術品や書籍を収蔵する場所として、1827年に建設しました。

ロンドンでも指折りの富豪だったベックフォード家に生まれたウィリアムは、10歳のときに父親を病で亡くしたため、成人と同時に、その莫大な遺産を相続しました。ウィリアムは放蕩生活を送り、「高級趣味人」として様々な稀少品を購入。遺産がどんどん削られていく中、従兄弟との同性愛関係が世間に発覚し、スイスへと逃亡します(彼は両性愛者だったそうです)。やがて、ほとぼりが冷めた頃に帰国して建設を命じたのが、この塔です。

この高台一帯は「ランズダウン・ヒル」と呼ばれていたため、完成した塔も「ランズダウン・タワー」と名付けられました。現在1階はミュージアムになっており、当時の面影はありませんが、ウィリアムが収集した美術品や書籍の一部、彼が使っていた家具などが展示されています。

細い螺旋階段をぐるぐるとのぼっていくと、展望室になっている塔の最上階へ行けます。

塔上から見た景色です。眼下に広がる街がバース。ウィリアムは塔の建設に伴い、同じくバースにある実業家ラルフ・アレンの邸宅「プライヤー・パーク」(下部リンク参照)を事前に見学したとのこと。彼の邸宅よりも豪華な建物を建てたかったそうですが、あまりの財力差に諦め(すでに遺産はほとんど残っていなかったそうです)、「せめて高い場所に建てて見下ろしてやる!」とランズダウン・ヒルを候補地に選んだのだとか。

ウィリアムの死後、ランズダウン・タワーは教会として改修されました。庭は教会墓地に変わったため、今でも墓石が並んでいます。ちなみに、彼の名を冠して「ベックフォーズ・タワー&ミュージアム」として一般公開されている同所の地下は、「ランドマーク・トラスト」所有の宿泊施設となっており、泊まることもできます(4泊~)。墓地が怖くない人は、バース旅行の宿泊先にしてみるのも面白いかも!?

庭にはもちろん、ウィリアムの墓もあります。目立つので、すぐに見つけることができました。バース観光をした後、時間に余裕のある人は訪れてみては?(編集部 K)

Beckford's Tower and Museum
Lansdown Rd, Bath BA1 9BH

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