ジャーニー編集部がロンドンの街をぶらりとレポート
ネルソン・マンデラ、オフィシャル・エキシビションに行ってきた
南アフリカ第8代大統領、ネルソン・マンデラのオフィシャル・エキシビションに行ってきました。
会場は、ウォータールー駅の高架下エリアの再開発で新しくできた「26 Leake Street」ギャラリー。
偉人のエキシビションでありながら、お堅い印象はなく、ロンドンらしいデザイン性に富んだアトラクティブな内容に仕上がっています。
政治家にして囚人、父にして地下活動家、大統領にして闘争アイコン、そして、ノーベル平和賞受賞者のネルソン・マンデラの一生を、マンデラの私物や写真などの貴重な品や、南アフリカで1948年から1994年まで実施されていた人種隔離政策「アパルトヘイト」の歴史がわかる展示物で辿ります。
1918年に南アフリカのテンブ人の首長の子として生まれ、高等教育を受け、大学で法学の学士号を取得したマンデラは、1944年にアフリカ民族会議(ANC)に入党。党内に青年同盟を設立し、青年同盟執行委員に就任し、反アパルトヘイト運動に取組みはじめました。
アパルトヘイトでは、黒人だけでなく、アジア系も有色人種として隔離されていたことがわかる標識(写真上)。
反アパルトヘイトの活動家として、国家反逆罪などで追われる身となったマンデラは、アフリカ各地を転々と移動しながら活動を続け、1962年、潜伏していた農場でついに逮捕されると、1964年に終身刑を言い渡され、ケープタウン沖の孤島「ロベン島」の刑務所に収監されてしまいます。マンデラの独房の雰囲気を再現した展示もあり。
1990年に釈放されるまで、なんと26年間もの時間を刑務所で過ごしたマンデラ。そんな過酷な状況でも、囚人たちに教育の大切さを説き、持ち前の人間力で、時には看守と心を通わせるなどし、心折れることなく自由を訴え続けました。
釈放後も国内グループの対立による抗争など、苦難の道のりは続いたものの、積極的に活動し、アパルトヘイト撤廃に向けて取り組み、そして1994年、ついに全人種が参加する総選挙が行われ、5月にネルソン・マンデラが大統領となり新政権が樹立されました。
とにかく展示物が多く、説明を読むのに疲れた部分もありましたが、これまで漠然と知っていたマンデラの偉業を、改めて詳細に知るいい機会となりました。(編集部H)
26 Leake Street Gallery, London SE1 7NN.
~6月2日まで
午前10時~午後6時
チケット:大人15ポンド、17歳以下&65歳以上13.50ポンド