ジャーニー編集部がロンドンの街をぶらりとレポート
バースの絶景スポット!「プライヤーパーク」
バースの美しい街並みづくりに尽力した18世紀の実業家、ラルフ・アレン。コーンウォール出身のアレンは、若干19歳でバースの郵便局長に就任。商業的才能を活かし、イングランドの郵便制度の基礎を確立させました。コッツウォルズ地方特有のハチミツ色をしたバース・ストーン(石灰石)の採石場を買い取り、街づくりに貢献するなど、経済的にも成功を収めたアレンは、バースの旧郵便局を自身のタウンハウスに改修。さらに、街を見下ろす高台の上に大邸宅「プライヤーパーク(Prior Park)」を建造しました。
バース駅からローカルバス2番で20分ほど走ったところに、そのプライヤーパークがあります。現在はカトリック系パブリック・スクール(Prior Park College)として使用されているため、建物に入ることはできません。でも、ガーデンはナショナル・トラストの管理のもと、一般公開されています。入口で£7(大人1名)を支払い、緑が生い茂るトンネルを通り抜けると、目の前に旧邸宅が姿を現します。
下から見上げると、あまり大きな邸宅には見えませんが、近くに行くとこんな感じです。1740年代に完成し、アレンの死後も一族が暮らしましたが、1830年にパブリック・スクールに生まれ変わりました。
旧邸宅の前には、「造園の魔術師」と呼ばれた18世紀の造園家、ケイパビリティ・ブラウンが手がけたガーデンが広がり、バースの街を見下ろすことができます。訪れる人はそれほど多くないので、高台に並んだベンチに腰掛け、ゆっくりと景色を楽しめます。
坂を下り、ガーデンにある池の淵から旧邸宅(写真奥)を見上げてみました。この池にかかるパラディオ様式の橋は1755年に建造された当時のもので、この様式の橋はイングランドに3つしか現存していないそうです(ストウ・ランドスケープ・ガーデンとウィルトン・ハウスにあり)。
残念ながら、橋の天井部分は改修されていますが、よく見るとあちこちに古いグラフィティが刻まれているのに気づきます。約140年前のグラフィティも発見しました。
のんびりと歩いても、1時間程度で見てまわれます。バース観光のついでに足を伸ばしてみてはいかが?(編集部 K)