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ぶらりんぐロンドン

ジャーニー編集部がロンドンの街をぶらりとレポート

19年越しの念願、マシュー・ボーンのSwan Lakeを見に行ってきた

貧しい炭鉱の町に生まれた少年ビリーがバレエに目覚め、周囲の偏見や反対にあいながらプロのダンサーを目指す姿を描いた「Billy Elliot(邦題:リトル・ダンサー)」。この映画のラストシーンで、成長したビリーが、トップ・ダンサーとして「Matthew Bourne’s Swan Lake」の舞台に登場します。客席で見守るのはバレエに反対していた父と兄、そしてゲイの恋人を連れた幼馴染み。

この映画ではじめて、男性が白鳥を演じる「白鳥の湖」と、振付師で演出家のマシュー・ボーンの名を知りました。アダム・クーパー演じる大人になったビリーが、逞しい肉体を白塗りにし、ふわふわと揺れる羽の衣装を身に付け、煌々と光るライトの下に飛び出すシーンは、今でも脳裏に焼きついて離れません。
日本で2001年に公開されたこの映画を見てから18年の時がたった今月17日、とうとうマシュー・ボーンの白鳥の湖を見ることができました。映画公開当時はこの舞台が見られるとは、ましてや自分がロンドンに住んでいるなどとは思いもよらず、感慨深いものがありました。

公演が行われたのはエンジェル(Angel)駅から徒歩約7分の「サドラーズ・ウェルズ・シアター(Sadler's Wells Theatre)」。今回の公演は2018年12月4日~2019年1月27日。思い立ったときにチケットを調べると残席は僅か、その中にロイヤルサークルの最前列の端に1席ぽつりと空席を見つけて即購入。一部見えづらい席(Restricted View)のため他の席より安い28ポンド。

どの程度見づらい席なのかと心配していましたが、舞台の右端部分が少し見切れる程度でひと安心。いよいよ開幕です。会場が暗転すると、幕に映されていた白鳥がゆっくりと羽を動かしはじめ、静止していた舞台に命が宿った瞬間のように見えました。

悪魔に白鳥の姿に変えられてしまったオデット姫と若き王子の悲恋を描いたチャイコフスキーの古典バレエ「白鳥の湖」。これをマシュー・ボーンが、同性愛の悲恋に置き換え、白鳥を力強い男性ダンサーが野生的な魅力たっぷりに演じ、スタイリッシュな衣装や斬新なセットの上で、エネルギッシュで美しいコンテンポラリー・ダンスで表現しました。
セットや衣装が変わるごとに、そのかっこ良さに思わず感嘆の声がもれそうになり、白鳥たちの圧巻のダンスには心が震えるような感覚を覚えました。そして、かっこ良いだけではなく、心情もストーリーも見るものに見事に伝え、マシュー・ボーンの天才ぶりにしびれた一夜となりました。

サドラーズ・ウェルズ・シアターでの今回の上演は1月27日までで、残念ながらチケットは完売していますが、ミルトン・キーンズ、バーミンガム、サザンプトン、グラスゴー、リヴァプール、ブリストル、ノーリッチ、カンタベリーなどを巡回し、4月16~20日にロンドンの「ニュー・ウィンブルドン・シアター(New Wimbledon Theatre)」で公演されます。チケットのご予約はお早目に!(編集部 H)