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ジャーニー編集部がロンドンの街をぶらりとレポート

桃田選手が優勝!バドミントン全英オープン観戦記

英植民地時代のインドで流行っていた遊びを、英兵士が本国へ伝えたことにより誕生したと言われるスポーツ、バドミントン。当初はシャンパンやワインのコルクに鳥の羽を刺して「シャトル」にし、それをテニスラケットで打ち合っていたのだとか。そんな「バドミントン発祥の地」と言っても過言ではない英国で、毎年3月に開催されているのが「All England Open Badminton Championships(バドミントン全英オープン)」。1899年に第1回が開かれたという歴史ある大会で、1977年に世界選手権が創設されるまでは、実質的なバドミントン世界選手権と見なされてきました。

開催地はバーミンガム。中学・高校時代と(一応)バドミントン部に所属していた筆者にとって、一度は観戦してみたい大会だったものの、ロンドンからの距離にめげて行かずじまいでした。でも、現在の日本バドミントン界は黄金期。日本選手たちを今応援しなくてどうする…!と奮起し、ついに観戦してきました。

ロンドンからバーミンガムまでは、ナショナル・レールで2時間半ほど。早めに往復チケットを購入すれば、13ポンドくらいで行けます。会場は、カナル沿いに建つアリーナ・バーミンガム(写真上)。バーミンガム・ニューストリート駅から徒歩約20分です。今回観戦したのは3月10日(日)の決勝。開場は10:30、試合開始は12:00なので、ゆとりを持って11時すぎに到着するようにしました。

男子シングルス、女子シングルス、男子ダブルス、女子ダブルス、男女混合ダブルスの5種目の決勝が、1日ですべて行われるので長丁場。試合の順番は、会場で確認することができました。今回の流れは、女子ダブルス→女子シングルス→男子ダブルス→男女混合ダブルス→男子シングルスという順番の模様。日本選手は、2試合目(女子シングルス)と3試合目(男子ダブルス)には出場していなかったため、その時間帯はカナル沿いのレストランでランチを楽しむことにしました。ちなみに、会場内でフィッシュ&チップスやバーガーをかじりながら観戦することも可能です(もちろんアルコールもOK)。

第1試合の女子ダブルスで中国と対戦したのは、永原和可那・松本麻佑組(写真奥)。去年の世界選手権の覇者です。第1ゲームは先取したものの、第2・3ゲームを接戦の末に失い、残念ながら負けてしまいました。

試合後すぐに行われた表彰式でも、冴えない表情なのがうかがえます…。

勝手にランチ・タイムを挟み、次は第4試合の男女混合ダブルス。中国と対戦したのは、去年の全英オープン覇者の渡辺勇大・東野有紗組(写真奥)。2連覇を狙いましたが、筆者の応援が足りなかったのかストレート負けでした。実は男女混合ダブルスの観戦は初めてだったのですが、フットワークとラリーがものすごく速く激しく、まるで舞踏を見ているようで面白かったです。また異性同士だからか、「ドンマイ!」的な励まし合いが熱いように感じられました。…気のせい??

そしていよいよ最終試合、男子シングルスです。日本のエース、世界ランク1位の桃田賢斗選手の優勝に期待がかかります。対戦相手は世界ランク6位のビクトル・アクセルセン選手。デンマーク出身の選手で、リオ五輪の銅メダリストでもあります。バドミントンはアジア選手が強いので、欧州選手が表彰台にのぼることはあまり多くありません。その中でも、アクセルセン選手は2017年に世界選手権を制するなど優秀な成績を残しており、ヨーロッパでは人気があります。会場内は「レッツゴー、ビクトル!」の大歓声が響き渡り、完全にアウェーな雰囲気でした…。

1回のラリーが終わると、スマッシュなどの最高速度が表示されます。桃田選手が打ったスマッシュの速度は、なんと405キロ。こんなのが当たったら、ものすごい青あざができちゃう…。中学時代、区大会の試合中にスマッシュを右頬で受け止めたことがあるのですが(単に避けきれなかっただけ)、火花が飛び散ったかと思うほどに痛かったです。

試合は見事、2-1で桃田選手が勝利!全英オープンでの男子シングルス優勝は、日本選手初です。第1ゲームは快勝だったのに、第2ゲームを落とし、第3ゲームも押され気味だったので冷や冷やしましたが、後半は何度も力強いガッツポーズを見せてくれました。表彰式でも満面の笑顔。隣に並ぶ傷心のアクセルセン選手が、花火に包まれて消し炭になってしまいそうでした…(注・筆者観)。

6時間半にわたって開催された、この日の決勝。各試合のゲーム数により、終了時間は変動します。ロンドン行きの復路はバーミンガム発19:14の電車にしていたので、果たして間に合うのかドキドキしていましたが、逃すことなく無事に乗車できました。来年は、バーミンガムまでバドミントン観戦に行ってみては?(編集部 ナカコ)

All England Open Badminton Championships
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