ホンネで語る!
うちの夫は英国人

後編

英国人夫の意外な一面

英国人男性は優しくて家事も率先してこなしてくれるイメージがあるけれど、ホントのところはどうなの? 英国人と結婚して英国に暮らす日本人女性たちの生の声を聞くべく、座談会を決行。ご主人との生活について熱く語っていただきました(全2回シリーズ)。
参加者のプロフィール
Aさん(44歳)/結婚歴4年。ロンドン北部で夫とふたり暮らし。
Bさん(44歳)/結婚歴13年。ハートフォードシャーで夫とふたり暮らし。
Cさん(42歳)/結婚歴11年。ハートフォードシャーで夫、息子ふたりと4人暮らし。

家族に隠れてラーメン

― 義理のご両親との同居では、どんなことが大変でしたか?

B
イギリスでよくありがちなことですが、洗った後の食器が泡だらけなんです。お義母さんに「洗剤はケミカルだよ」って言ったら、「大丈夫よ、みんな死んでないじゃない」って(笑)。他にも、洗ってなさそうなマグカップでお茶を出されるとかね。
C
私は率先してお茶を入れるようにして、入れる前にさっと洗ってました。
B
親世代だとお湯が貴重みたいで、私がお湯を出しながら洗うのを見て「もったいない」って言われました。外国人がほとんどいない田舎町に夫の実家があって、お義母さんは私のことを「わけのわからない東洋人がやってきた」と思っていたのか、旦那に「だまされているんじゃないの?」って言ってたみたいです。
A
私は家族と一緒に住んだことはありませんが、一緒に住んでも大丈夫かもしれない。食事も、片付けも、「あなたの気が済むのならば、すればいいよ」と言ってくれるから気楽なんです。初めて家に行ったときに、ソファに夫が座って私が端っこに座っていたら、お義母さんが「夫のひざの上に足を投げ出してリラックスしなさい」と言って、見本まで見せてくれたんです(笑)。
C
私は食生活にも戸惑いました。日曜日の夕食が甘いものだけだったんです。フルーツ系のどっしりとしたケーキだったり、ビスケットだったり。
AB
えー!?
C
お昼にサンデー・ローストを食べたら夜は軽くケーキでおしまい。日本で「軽く」といったら、ご飯とお味噌汁という感じで、甘いもので済ませることはないじゃないですか。スープくらいがいいなと思いました。
B
サラダとかね。
C
それが1年弱、続きました。
B
醤油味食べたい! ってなるよね。うちはどういうわけか「日曜日には火を使わない」というルールがありました。サンドイッチとか、エッグ&ソルジャー(半熟玉子と細切りにしたトースト)とかを食べるんです。栄養バランスは考えられてない…。
C
私、体が受け付けなくなったのか、食べるとすぐにお腹が痛くなるようになりました。
B
そうですよね。「私が好きなものを作る」と言っても、「食事を2回に分けて作るなんて無駄だから」って言われました。仕方なくこっそり隠れてラーメンを食べたこともあります。
A
泣ける。

ストレートに物を言う義母に初めは戸惑ったものの、すっかり慣れて今では良好な関係を築いていると話すBさん。

― つらい同居生活をどのように乗り越えたのですか?

C
ひたすら我慢ですよ。
B
そうだよね。あとは慣れ。お義母さんは思ったことを何でも口にする人で、最初は腹が立つこともありましたけど、今は言い返します(笑)。
C
イギリスのジョークって、自分を落として笑いをとる日本のものとは違って、相手を落とすじゃないですか。それに慣れなくって傷ついた時期があって、そのときは旦那に「できるだけ私の味方になってほしい」とお願いしました。

― ご主人は日本食を食べられますか?

B
出会った頃は食べなかったけど、今は、ねばねば系以外ならほとんど食べます。
A
私の夫も日本食が好きですけど、お味噌汁の大根は残します。
B
確かに、大根を煮ているとき「何だこのにおいは!?」って言います。
A
冷蔵庫でもにおいますよね。「存在している意味がわからない」って不思議がってます(笑)。
C
うちは冷たい食べ物がNG。枝豆も豆腐も温めるといいんだけど。
A
そうそう、冷たいブロッコリーを却下された。寿司や刺身は食べますけどね。
C
うちも寿司・刺身は大好きです。どちらも温めては食べられないですしね。枝豆や豆腐は温かい状態でも食べられるから、あえて冷たい状態では食べないです。

― みなさん、日本食が好きなんですね!

C
私の友達の旦那さんは、「出汁のにおいがフィッシーだから、出汁を使った料理は食べない」らしいです。だから、自分と子供の分を作って、旦那には別のものを作るみたいです。
B
私の友達は、旦那さんが日本食を食べたがらないから、料理担当は旦那さんで、毎日「チキンばっかり」って友達がぼやいてました。自分が食べたいものは外で食べるって。

― 家事の役割分担は?

B
基本は私がすべてします。出会ったときに彼が学生で、その頃から私がやっていたので、何もしない夫になっちゃった。初動を間違えたと思います。
C
私は主婦なのでほとんどの家事はするんですけど、食後の後片付けはたまに旦那がやってくれます。

― 英国人男性はもっと色々やるイメージがありますが…。

B
あるある。
C
他のイギリス人の旦那さんを見ると、DIYをしてくれたり。わざわざ休暇を取って奥さんを休ませる日を作ってくれたり、料理もしてくれたり。子供の学校の送り迎えをする旦那さんもいるけど、うちは…(苦笑)。
A
私の夫は何でもやってくれますよ。
BC
いいなー!
A
掃除もやってくれるし、私が仕事のときはお風呂の準備も。逆に、私がやれるときは私が家事をします。そのときのお互いの状況次第ですね。料理もできますし。

家事はお互いの状況に合わせてふたりでこなすと話すAさん。
B
うらやましい。私、どこで間違えたんだろう…。
A
以前、私の友達がストレスを溜め込んでいたとき、「一緒にご飯を食べて元気づけてあげよう」ってことになって、夫がローストチキンを作ったんです。「来る時間ぴったりに仕上げて一番美味しい状態で食べさせたい」と言って張り切っていたんですけど、そんなときに限って、友達が時間通りに来ない…。「時間が過ぎたからチキンが乾いて美味しくなくなった」って、珍しく不機嫌になってました(笑)。

イギリス人のサッカー愛

― ケンカすることはありますか?

C
私の夫は子供の頃からフットボール・チームのワットフォードの大ファンなんですけど、試合日程を中心にすべての予定を立てるんです。私が1人目の子を産んだ後、2人目を妊娠してつわりがひどい時期があって、「週末は夫の仕事が休みだから、子供の面倒をみてもらえる! 私、眠れる!」と思って頑張っていたのに、「週末、ワットフォードのアウェイのゲームを観に行っていい?」って聞くんです! ブチってキレて、食べてたチキンを夫にパーンって投げつけました。
AB
(笑)。
C
「もうやっていけない、日本に帰ろう」と思って、スーツケースに荷物を詰め始めたときに、「ごめんなさい、ごめんなさい」って必死に謝ってきました(笑)。

サッカー好きの夫の言動に腹を立て、チキンを投げつけたことがあると話すCさん。
B
うちは逆です。私はジャニーズが好きで、「コンサートが当たったら日本に行く」って夫に伝えたんです。そうしたら、「僕達のホリデーがジャニーズによって左右されるってどういうこと!? 30歳を過ぎたいい大人がボーイバンドにお金を費やすって、君はもうティーンエイジャーじゃないんだぞ!」ってムキになってました。今はもう諦めているみたいです(笑)。

― 日常的なケンカはどうですか?

B
しょっちゅうありますよ。些細なことなんですけどね。
A
うちは大きなケンカに発展しないように、未然に防ぐようにしています。レベル2まで達したら3までいかないように歩み寄るというか。
BC
大人ですね!
A
私の勘違いでケンカになる場合もあるし、向こうの場合もあるし。相手の言い分がおかしくても、まぁいいかなと引くこともあります。怒る必要はないし、残された時間は短いし(笑)。
B
ケンカすると私は口をきかなくなるタイプなんですけど、よく「何で今さらそういうこと言うの?」と言われます。ちょっとしたことがきっかけになって私が「あの時もそうだった、今日だってそうじゃない」って怒ると、「あの時って、何でそのときに言わないの? 今言われても…」って。
C
うちも昔はそうで、私が黙り込むと「理由を言ってくれ」と。最近はケンカは長引かせず、そのとき話し合って終わらせるようにしています。夫からは、「(私は)過去のことを忘れてくれない」って小言を言われますが。

菊のプレゼント

― 生活の中で戸惑いやびっくりしたことなどありますか?

C
この間、子供と私だけで5週間ほど日本に帰って、イギリスに戻ってきたときに夫が花束を持って空港に迎えに来てくれたんですけど、その花束が菊だったんです!
B
こっちの人、菊をチョイスするよね! 日本ではお葬式のイメージだから戸惑う。
A
菊がイヤだなと思って、一度ひまわりをもらったときにすっごく喜んだら、それ以降はひまわりをくれるようになりましたよ。

― まもなくクリスマス。ご予定は?

C
今年のクリスマスは義理の両親をうちに呼ぶことにしました。向こうに行くと、お義母さんが準備のために色々抱え込んでパニック状態になるんです。それだったら、私たちの家でストレスフリーに過ごしてもらったほうがいいかなって。

― ご主人の兄妹も一緒に?

C
夫には男兄弟がふたりいるのですが両方とも結婚していて、どっちも奥さんの実家で過ごすようです。女の人の方が強いから、奥さんが「自分の実家で」と言ったらそうなるんでしょうね。
B
私のお義兄さん夫婦もそうです。
C
でも家族が集まらないと物足りないらしく、クリスマス前にみんなで集まって食事をするので、クリスマスが2度ある感じです。
B
そうそう、私のところも、旦那の実家に集まるのは私たち夫婦だけなんですけど、親戚がプレゼントを持って挨拶に来ます。日本でいう、新年のご挨拶みたいな感じです。
A
うちは夫の姉の家に親戚が集まってパーティーですね。

― クリスマス・プレゼントの準備も大変と聞きます。

A
それは全部、夫の仕事です。
B
なんていい人! プレゼントを買うのって、本当に面倒くさいんですよ。
C
全員分ラッピングしてね。
B
しかも1人1個じゃダメで、どうでもいいものをいくつか用意して、包んでね。
C
1人1袋にまとめればいいのに!
B
みんなたくさんの包みを開けたいんだよね。
A
びりびりやぶいてね。
B
量より質だと思うんですよね。以前、どうでもいいものをもらったことがあって、こっそり捨てたらお義母さんに見つかっちゃった(笑)。そしたらお義母さんが「『いらないボックス』を用意するからそこに入れて」って。「誰かいる人がいるかもしれないし、チャリティ・ショップに持っていけるから」って(苦笑)。

週刊ジャーニー No.1064(2018年12月06日)掲載

「うちの夫は英国人」前・後編は、今回で終了となります。次回の座談会も、ぜひご期待下さい!
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