ホンネで語る!
うちの夫は英国人

前編

結婚までの馴れ初めは?

英国人男性は優しくて家事も率先してこなしてくれるイメージがあるけれど、ホントのところはどうなの? 英国人と結婚して英国に暮らす日本人女性たちの生の声を聞くべく、座談会を決行。ご主人との生活について熱く語っていただきました(全2回シリーズ)。
参加者のプロフィール
Aさん(44歳)/結婚歴4年。ロンドン北部で夫とふたり暮らし。
Bさん(44歳)/結婚歴13年。ハートフォードシャーで夫とふたり暮らし。
Cさん(42歳)/結婚歴11年。ハートフォードシャーで夫、息子ふたりと4人暮らし。

クラブでナンパ

― ご主人との出会いから聞かせてください。

A
10年前に、仕事関係の研修プログラムで1年間だけ日本からロンドンに来て、同じプログラムに参加していたのが今の夫です。その翌年に別のプログラムでまたロンドンに来て、彼とはたまに会うくらいの友人関係だったのですが、日本に帰る直前に彼が私のことを好きだということがわかったんです。気持ちが揺れたのですが、付き合いに発展することはありませんでした。3年後に今度は仕事で1ヵ月だけロンドンに来ることになって、そのとき彼のことが頭から離れず、思い切って食事に誘いました。会ったときに、「実は3年前のことを後悔してる」って伝えて、付き合うことになりました。
B
連絡してみてよかったですね。
A
当時39歳で、後悔のないように生きていこうと思っていたので、断られる前提で言ってみたんです。付き合い始めたのが11月で、年明けに彼が初めて日本に来て、その後、お互いが日本とイギリスを行き来するようになりました。
B
私の出会いは語学学校に通っていた18年前で、当時まだ大学生だった夫にクラブでナンパされました(笑)。酔っ払ってたから出会いの詳細は覚えていませんが、そのときから彼は日本に興味があったみたいで、後日、電話がかかってきました。その後、私が日本語を教えつつ、彼からは英語を教えてもらうようになりました。

― その後、付き合いに発展?

B
私、出会ったときに年齢を偽っていたんですよ(笑)。彼に年齢を聞いたら私よりも結構若いことがわかって、彼から「同じくらい?」って聞き返されたんですけど、さすがに同じくらいはないと思って、「あんたよりは上」ってごまかしたんです。ナンパされたときは付き合うとも思ってないから、まぁいいかと思って。

― いつ本当のことを?

B
会っていくうちに、「付き合いたい」みたいなことを言われて、「実は私、結構年上だから友達でいたほうがいいと思う」と伝えたら、「それでもいいよ」って。それから付き合いが始まりました。

語学学校時代に、後に夫となる男性と出会ったBさん。相手が若かったので、自分の年齢をごまかしていたと振り返る。
C
私は地元・愛媛の共通の友達のクリスマス・パーティーで出会ったのが最初です。13、4年前くらいかな。相手は日本に来たばっかりの英会話学校の講師でした。グループで飲みに行くことが何回かあって、そのうちふたりで会うようになりました。彼は「こんにちは」「ありがとう」くらいしか日本語がわからず、私は英語が話せたので、コミュニケーションはほぼ英語で、私が日本語を教えるようになって、付き合うようになりました。
B
そういうパターン多いよね。私は、彼が日本のことを好きだというから、日本人の友達と集まってご飯を作って食べるときに呼んだんですけど、作ったものを全然食べないんですよ(笑)。今は日本食が好きだけど、あのころは全然免疫がなかったのかな。
C
食文化が違いますからね。私は彼が初めて料理を作ってくれたときにビックリしました。チキンを焼いてくれたんですけど、本当に焼いただけで、他にはゆでた豆と人参が添えてあるだけ。ソースもなければ塩コショウもなし! これがイギリスのまずい食べ物なんだ、と思いました。

― Aさんのご主人は日本にどのくらい関心がありましたか?

A
まったくでした。私と付き合ってから、日本のことをググって私より歴史に詳しくなる、みたいな(笑)。

プロポーズは片ひざつき?

― 結婚を意識するようになったのはいつ頃ですか?

A
出会った当時39歳で、年も年だし結婚も考えて付き合いたいと思っていたので、最初の頃からそういう話をしていました。なのでトントン拍子に進みました。駆け引きゼロです(笑)
B
無駄がないですね(笑)。私は学生ビザが切れたので日本に戻って遠距離恋愛をしました。あるとき彼が、「サプライズ!」って、目の前に現れたことがありました。思わず、「困るんだけど。私、サプライズ嫌いなんだけど」って言っちゃったくらい(笑)。遠距離で6ヵ月くらいが経った頃、お互いが限界だなって思うようになって一緒に住むことを考えるようになりました。でも私はビザがないから、一緒に住む=結婚という流れになりました。
C
私20代後半だったんですけど結婚の話は全然していませんでした。日本で外国人と日本人が付き合って、相手が帰国するときに「じゃあ僕、帰国するね、バイバ~イ」って振られるパターンが多いと聞いたことがあったので、そうならないように、慎重に相手のことを見ていました。少しでも不審な動きがあったらすぐに「バイバイ」ってできるように気持ちにブレーキをかけて、遊ばれないようにしていました。

― それがどんな風にして結婚に?

C
彼の両親の家でクリスマスを過ごさないかってイギリスに誘ってくれたんです。ご両親や友達に会ううちに、彼の人となりがわかりました。2回目のクリスマスの時期にも両親の家に呼んでくれて、イギリスにワーホリで来るのもありかもなと思うようになりました。そのときの旅行中にふたりでタワー・オブ・ロンドンに行って、夜に彼の友達も一緒にパブクロールをしたんです。すると、いきなり旦那が「怖い」って言い始めて。霊感の強い人はタワー・オブ・ロンドンで何かを感じるというのを聞いていたから、やばい、この人なんか見えてる!と心配になりました。そこで彼から外に連れ出されて、急に「結婚してください」って。
A B
えっ!?
C
私は彼に何か変なものが見えているんじゃないかと心配していたので、「うん、いいよ」って生半可な返事して、それよりも彼に何も見えていなかったことが安心で。でも向こうは、「いま僕、プロポーズしたよ。そんな返事でいいの?」って(笑)。断られる可能性もあったから、怖いと言ってたみたいです。

英国人男性に遊ばれないよう、気持ちにブレーキをかけていたと話すCさん。
A
私は超ロマンチックな感じでした。私の40歳の誕生日に一緒にフランスに旅行に行ったのですが、旅行中にプロポーズされるだろうなと思っていつだろうと待っていたのに、なかなかされない(笑)。何日か過ぎた頃、朝ごはんを食べに行った帰り道の公園で彼が急に片ひざをついて…。
B
ウィルユーマリーミー? って?
A
いや、ひざをついた瞬間に私が舞い上がっちゃって、向こうが長い文章を言っていたのはわかったんですけど、言い終わる前に「イエス」って口から出ちゃって。そうしたら「いやまだ言ってない」って(笑)。
B C
でも素敵!
B
私はプロポーズされてないんです。結婚の話が出た年がうるう年で、2月29日は女性からプロポーズしてもいいんだよって言われました。
A
聞いたことあります。
B
その日にしてくれって(笑)。どこでやったかは覚えてないけど、彼の言うオフィシャルな話としては、私からプロポーズしたことになっています。全然ロマンチックじゃない。

病床の父からの反対

― 家族の反対はありましたか?

A C
まったくなかったです。
B
父から反対されました。彼に対して否定的なそぶりは見せなかったし、私にも何も言わなかったけど、母には言ってたみたいです。結婚が決まった時期に父が重い病気を患って、最期のときに病院で、「実は反対だ」って言われました。彼との年の差を心配していたみたいで、「今はお前もまだ20代後半だからいいけど、お前が40、50になったときに、彼はまだ遊びたいかもしれないぞ」とか、「小柳ルミ子と大澄賢也を見てみろ」とか(笑)。「覚悟を持って結婚しろよ!」って言われました。
C
うちは婚約してから、彼が私の家族とコミュニケーションをとりたいって言って、日本語の勉強にますます力が入るようになりました、方言も理解するようになったので親との関係も円滑でした。祖父と話すとなると、やっぱり方言が強すぎてわからないとは言ってたけど…。

― 結婚式・手続きはどこで?

A
日本で入籍しましたが、半年後くらいにイギリスで式を挙げました。日本で入籍してるから、こっちではブレッシング・ウェディング(法的効力のない、祝福のための式)をしました。

フランスを旅行中にプロポーズされたと話すAさん。
B
私はイギリスで入籍しました。レジスター・オフィス(登記所)で行うスタイルが多いと思いますが、義理の両親がレジスター・オフィスなんてもってのほか、トラディショナルにしましょうと言うので、結婚式の前に牧師さんのところに通って証明書をもらって、英国国教会で式を挙げました。

― 通う必要があるんですね。

A
教会にもよるみたいで、私たちはふたりとも無宗教なのですが、特に通わずとも教会でブレッシングをやらせてもらいました。
B
通ってキリスト教に改宗するというものではないのですが、私が式を挙げたところは異教徒のための証明のようなものが必要だったみたいです。レジスター・オフィスも同じだと思いますが、その後「このカップルが結婚します。意義のある人はいますか」って紙(giving notice)が教会に張り出されて、何もなければ結婚できるんです。「ある」って誰かが言ったらどうなるんだろうって思うんだけど。
C
そうだよね。うちは割とカジュアルな教会だったから、式の数日前に2回通っただけでオッケーでした。普通の結婚式では式のときにサインをするんですけど、私たちは日本で入籍していて名前も変わっていたので、正式なものはなく、Aさんと同じでブレッシングだけでした。
B
婚姻証明書はどうしたの?
C
日本のイギリス大使館で手続きをしました。
A
そう、以前は日本で入籍した人も日本のイギリス大使館で申請すれば、イギリスでも夫婦として登録されるようになっていたんですけど、私が入籍した4年前には、その制度がなくなっていたんです。だから私はイギリスでは何の証明もないんです。婚姻証明が必要なときは、日本から取り寄せて、こっちの日本大使館で訳してもらってます。

― Bさんの場合はどうしましたか?

B
私はイギリスで結婚したので、それを日本大使館に伝えて、日本での戸籍の手続きが完了しました。

― 結婚後の生活は迷いなくイギリスに決まったのですか?

A
そうですね、日本という選択肢はなかったかな。
B
私も彼が日本語がわからないから、こっちに来たほうがスムーズだと思ってイギリスに決めました。ただ、結婚して5年住んだ後、私が日本に帰りたくなっちゃって、旦那を連れて日本に。しばらくたって、今度は旦那の日本での働き方とお給料の面で色々考えた結果、イギリスに戻ってきました。
C
私はどっちに住んでも良かったのですが、彼の中で、将来的にはイギリスで家を買って家族を持ちたいという明確な将来設計があったので、渡英しました。実際に家を買うまでの1年弱くらいは旦那の実家で暮らしました。その時期はつらかった。
B
わかる。私もあれが最大のカルチャーショックだったな。
うるう年は女性からプロポーズ!?
4年に1度のうるう年。ヨーロッパでうるう年の2月29日は、伝統的に女性からプロポーズをする日として知られている。
由来は諸説あり、そのひとつは5世紀にさかのぼる。アイルランドの守護聖人のひとり修道女キルデアの聖ブリギッドが、ある女性から相談を受けたという。この女性の恋の相手が極度の恥ずかしがり屋だったことから、女性はプロポーズされないことに悩み、ブリギットが女性からプロポーズできないかと聖パトリックに懇願。うるう年の2月29日にだけ、女性からプロポーズすることを認めたという。
また別の説によると、13世紀のスコットランドのマーガレット女王がこの日は女性からプロポーズをしてもよいという規則を設け、拒否した男性は罰金を払わなければならない、シルクのドレスを送らなければならないことを法で定めたとされる。
どちらの説も信憑性が低いものの、英国では「2月29日は女性からプロポーズをする日」として定着した。

週刊ジャーニー No.1063(2018年11月29日)掲載

「うちの夫は英国人」後編のテーマは、「英国人夫の意外な一面」です。どうぞご覧ください!
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