
ワインにまつわる今月のトピック:桜の季節に合うワインについて
桜の季節に合うワイン
サマータイム(British Summer Time=BST)が3月29日から始まる。ご承知のとおり、英国では3月末から10月末までの7ヵ月間は、時計を1時間早め(この行為を「Spring Forward」という)、秋に1時間戻す(Fall Back)。そもそもこのサマータイムというアイディアは、1784年に米国の政治家ベンジャミン・フランクリンが提唱したもので、英国には1916年に導入された。現在、約70ヵ国が何らかの形でサマータイムを採用しており、その多くはヨーロッパや北米に集中している。英国は緯度が高いので、日照時間を見ると、冬は日本より2時間ほど短く、夏は日本より2時間ほど長い。寒く暗い冬を過ごす英国では、日の光のありがたさをより強く感じる。 日本ではというと、3月にはひな祭りがあり、桜の開花予報のニュース、そしてお花見も始まるが、こうした行楽シーズンに合うワインといえば、桜色のロゼ・ワインだろう。入手しやすい値段で、果実香味がフレッシュで、苦みもほとんどなく、魚料理や肉料理にサラダにも、と何の料理にも合い、重い食事から軽い食事、アジア系の料理(辛いものや汁ものを除く)にもよく合う。
製造時に調整が行われる色の濃さ
ロゼ・ワインには、色調の薄いものや濃いもの、ピンク系のものやオレンジ系のもの(玉ねぎの皮の色で、ワイン界ではオニオン・スキンと呼ばれる)、また甘さにも違いがある。そのロゼの作り方をここで簡単におさらいしておこう。次の4つの方法がある。
(1)収穫した黒ブドウ(例外あり)を破砕し(顆粒を砕くことによって色が出る)、白ワインを造る時のように圧搾機にかけて果汁のみで発酵させる。こうして造られたワインは、最もデリケートな淡い色のロゼ・ワインとなる。
(2)収穫した黒ブドウを破砕し、望む色がでるまでしばらくそのまま置く。色が出たら圧搾し、色のついた果汁のみを発酵させる。
(3)赤ワインを造る時と同様に、収穫した黒ブドウを破砕し、果汁と果皮を一緒に発酵させる。発酵が始まったら、望む色の濃さによって、6~48時間後に果皮を抜き取り、果汁だけを引き続き発酵させる。通常、果汁と果皮を接触させる時間が長くなるほどピンク色が濃くなる。
(4)白ワインに少量の赤ワインを加えて造る。しかし、この方法はシャンパーニュを除いて、EU内では許されておらず、ニューワールドで安価なロゼの生産にのみ用いられている。
ピンク系のものは、通常、醸造にステンレススチール・タンクを使い、オレンジ系のものは、古い木樽やコンクリート槽等が使われることが多い。
お勧めのロゼ・ワイン
さて、いち推しのロゼ・ワインをご紹介する。まず、甘めでアルコール度が低めのワインを好む人には、フランス北部のロワール川流域で造られるロゼ・ダンジューRosé d’Anjouがよいだろう。淡いピンク色で、ジューシーな赤いベリー類のアロマをもち、後味が爽やかなオリヴィエ・デュボワ、ロゼ・ダンジューOlivier Dubois Rosé d’Anjou(9.50ポンド/アルコール度10.23%)を勧めたい。半甘口(セミ・スイート)なので、フルーツ・サラダや、果物入りのグリーン・サラダによく合う。マジェスティック・ワインで購入できる。

また、カーヴ・デスクラン、ウィスパリング・エンジェル、コート・ドゥ・プロヴァンスCaves d’Esclans ‘Whispering Angel’ Rosé、 Côtes de Provenceは、グレープ・フルーツ、桃、リンゴといった果実香味を呈す(アルコール度13.5%)辛口ロゼ・ワインで、魚介類との相性が非常に良い。これもマジェスティック・ワインで購入できる。
どのロゼ・ワインであっても、飲む際には必ず冷やすこと。そして、早期消費用のワインなので、寝かせて熟成させたりしない(ロゼ・シャンパーニュを除く)。ショップに同じワインで年号が異なるものがある場合には、新しい年号のついたものを選ぼう。
週刊ジャーニー No.1435(2026年3月12日)掲載











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