
ワインにまつわる今月のトピック:日本のワイン事情 その4
町おこしとして始まったワイン造り

山梨、長野の後、今回は北海道のワイン事情を取り上げたい。北海道のワインといえば、十勝・池田町を思い出す。筆者がCAとして働いていた45年ほど前のこと、北海道から東京に向かう夕方便の機内サービスとして、池田町の赤ワインを提供していた。当時は、それが何のブドウ品種から造られたかなど知る由もなく、ただただ美しい色をしたおいしいワインだったことのみ覚えている。
さて、北海道のワイン生産量は日本全体の18.5%と山梨、長野に続き第3位を誇っている。2000年以降、急激にワイナリー設立が増え、2022年1月現在では53軒を数える。そもそも北海道のワイン産業が注目されるようになったのは1963年頃で、十勝の池田町長が、町おこしとして十勝ワイン(池田町ブドウ・ブドウ酒研究所)を設立し、山野に自生する山ブドウを使ってワイン造りを開始したことから始まった。その後、70年代からさまざまなぶどう品種が輸入され、冬の寒さに耐性のあるぶどう品種の開発が進められた結果、ブドウ栽培地が拡大。今では十勝地方や空知(そらち)のみならず、根室や摩周湖近くの弟子屈町(てしかがちょう)にまでワイン産業が広がっている。
冬の厳しい寒さとの闘い
北海道でのぶどう栽培は、冬期の極低温と降雨不足のために容易ではなかった。しかし、ブドウの樹の病気が比較的少ないことが功をなし、また、秋の日中と夜間の気温差が大きいことから、果実香味の凝縮した酸と糖分のバランスのよいワインが造られるようになった。また、冬の厳しい寒さへの対策として、冬季はブドウの樹を土の中に埋め、春にその土を取り除く作業が行われていたが、そうしなくても越冬できる耐寒性のあるぶどう品種の開発にも成功。それが、「清舞」と「山幸」だ。清舞は、薄めの色合いで、酸味が秀で、草木系の香味を呈す軽快な味わいが特徴。一方の山幸は色合いが濃く、野イチゴや野バラの風味とほのかなスパイス感を呈し、タンニンのしっかりした深みのあるワインとなり、お肉料理との相性が抜群。特に山幸の今後が期待されている。
気候的に涼しい北海道では白ブドウ品種の栽培が多く、主に、ケルナー、ポートランド、バッカスをはじめ、フランスのシャルドネやソーヴィニョン・ブランが栽培されている。また赤ワイン用品種では、ツヴァイゲルトやロンドの他に、ピノ・ノワールがある。北海道のピノ・ノワールは近年特に注目されており、その栽培が急速に拡大している。
十勝ワインの収穫を祝うイベント
お薦めしたいワイナリーとして、飛びぬけて有名なドメーヌ・タカヒコ、山幸種を使った十勝ワイン、ピノ・ノワール種を使った函館ワインや山崎ワイナリー、ソーヴィニョン・ブラン種を使ったタキザワ・ワイナリーがある。

詳しい日時などは次のとおり。
【開催日】 2025年10月5日(日)10:00~14:00
【会 場】 ワイン城横イベント広場
【入場券】 先着限定 2,000枚
【価 格】 大人 8,000円/中・高生 6,000円/小学生 5,000円/未就学児 無料
お問い合わせ先:池田町観光協会
https://kankou-ikeda.com/wine_festival
Tel 015-572-2286
もし、秋に日本に帰国され、北海道を訪れることができるようなら、このワイン祭りを計画にぜひ加えていただきたい。
週刊ジャーニー No.1401(2025年7月10日)掲載











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