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■ 第88話 ■大リーグがつまらん

▼今週は余談だ。まあ、いつも余談みたいなもんだけど。大リーグ、エンゼルスの大谷翔平選手。投打二刀流で活躍する上に長身イケメン独身。地元アメリカでは普段、野球に興味のない人まで球場に駆け付けているらしい。米タイム誌は2021年版「世界で最も影響力のある100人」に大谷選手を選出した。残り試合数もわずかとなり本塁打王争いも熾烈さを増して来る中、大谷選手は敬遠される場面が増えてきた。24日のマリナーズ戦では4打席連続で四球。その直近3試合で合計11四球はア・リーグの新記録だそうだ。勝つための戦略と言ってしまえばそれまでだけど、見ていてつまらん。真剣勝負に挑み、際どいコースを突いた結果の四球ならまだいい。しかし大リーグでは試合時間短縮のために2017年から「申告四球」なるものが採用された。日本プロ野球でも18年から採用され、よせばいいのに高校野球もこれを採用した。要は4回もボール球投げるの、時間と体力の無駄だから、とっとと1塁へドーゾドーゾっていう時短&エコな敬遠だ。24日のマリナーズ戦でも4四球中2回が申告敬遠だった。つまらん。チョ~つまらん。

▼ルールがこれを許す以上、マネージメントはこれを戦略と称して最大限に活用する。しかしこれは「戦略」の美名を着た「敵前逃亡」じゃないの? 99年、巨人の上原は同僚松井と本塁打王争い中のペタジーニ(ヤクルト)と対戦。ベンチから敬遠の指示が出た際、上原はマウンドの土を蹴って怒りを露わにし、敬遠後は涙を流した。投手だって勝負したいのだろう。億を稼ぐ超人的アスリートたちがガチンコの勝負をする姿が見られるってんで人はお金を払ってまで球場に足を運んでんじゃないの?なのに「この人怖いから逃げま~す」? 古代ローマのコロッセオで闘士たちがこんな茶番を演じたら民衆が暴動起こしてローマ帝国は崩壊しただろう。いや、茶番なしでも崩壊したけどさ。少年少女たちにも「強い相手からは逃げるのが賢いんだよ。立ち向かう奴はアホなんだよ」って誤ったメッセージにならないか? 嫌な相手を敬遠できる競技って他にある? 私個人は高校時代、バレーボールをやっていたが、対戦校にとんでもなくヤバいエースアタッカーがいた場合はヒーンと泣きながらブロックを飛び続け、強烈なアタックを顔面で受けるくらいしか対処法はなかったぞ。

大谷翔平
救世主ですが、何か?

▼先の東京五輪の野球競技にアメリカは3A(日本で言う2軍程度)の選手だけを送り込んできた。日本代表はこれを決勝で破って優勝した。アメリカは「3Aの選手ばかりだから仕方ない」と言い訳した。日本も大谷やダルビッシュ、前田健太など超一流は出てないっちゅーの。五輪やWBC(野球のワールドカップ)など、あまり金にならないイベントで高年俸の大リーガー選手を怪我させる訳にはいかないという裏事情が見え隠れする。しかし大リーグの格の違いとスゴさを世界中にアピールする大チャンスだと思うんだけど、色々大人の事情があるんだろね。こんな中途半端なことやっているから五輪から野球がふるい落とされちゃうんだな。いやあねぇ、大人って。

▼アメリカではプロ野球の観客動員数がNBA(バスケ)やNFL(アメフト)などに比べて減少しているという。そんな中、ベーブルース以来100年ぶりに現れた救世主が大谷選手と言われている。皆、大谷選手のバットが放つ快音を期待して観ている。にもかかわらず敬遠攻めじゃ、客は再びそっぽ向いちゃう。人気凋落の原因は内にある。愛のある心配しながら余談を終わる。チャンネルはそのままだぜ。

週刊ジャーニー No.1208(2021年9月30日)掲載

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