
■ 第275話 ■日清戦争、儲かりまっせ
▶1894年7月25日に第一遊撃隊の巡洋艦「浪速」が清兵1,100人を輸送中だった英ジャーディン・マセソン所有の高陞号(たかしょうごう)を撃沈。翌週8月1日、日清両国は正式に宣戦布告。日清戦争が始まった。英船籍の船を沈められたイギリスでは一時的に反日感情が沸き上がった。しかし2人の国際法学者がタイムズ紙に別個に寄稿。国際法を解説し、日本に違法行為がなかったと主張したことでイギリスの世論も次第に鎮まった。ひゅう~(汗)。
▶清軍は平壌に兵力を集中したが9月16日に全軍が総崩れとなって撤退。翌日、海上では日本の連合艦隊が清の北洋艦隊の主力艦5艦を撃沈&大破した。北洋艦隊は命からがら戦場から逃走。これが黄海海戦だ。この海戦で日本側は4隻が大破したものの沈没はゼロ。死傷者298。一方の清側は巡洋艦沈没3、大破2。死傷者は850名に上った。第二次アヘン戦争で北京が英仏軍に侵略された反省から清は軍の洋式化を推進。日本を第一仮想敵国として海軍の拡張を進めた。いやあの、第二次アヘン戦争ふっかけられた上に英仏にボコボコにされ、その極悪英仏から戦艦ごっそり売りつけられた上に一番ヤバい仮想敵国は日本だよって一体どういうストーリー? いずれにしても西洋の最新艦をズラリ揃えた清の北洋艦隊は当時、東アジア最強と言われた。しかし清軍兵士たちの士気は低かった。だって2度のアヘン戦争で一方的にボコボコにされた上、なんで朝鮮半島の平和のために命懸けで闘わなくちゃいけないの? ごもっとも&お気の毒。10月に清国領土に攻め入った日本陸軍は11月には旅順を占領。北洋艦隊の残存艦も壊滅させた。戦闘意欲を喪失した清からの申し出で2月には休戦交渉が始まり4月には下関条約が締結された。実質的に戦争は7ヵ月ほどで終わった。

▶変な戦争だ。日本海軍が所有していた主力巡洋艦8艦のうち4艦は英国製だった。あとの4艦はフランスと国産2艦ずつ。「吉野」「高千穂」「浪速」はいずれも英アームストロング社が建造した巡洋艦。「千代田」も英国製だがこちらはスコットランドのトムソン社のもの。一方の北洋艦隊。戦艦2艦はドイツ製。巡洋艦10艦の内訳は英4、ドイツ3、国産3。英国産巡洋艦は4艦とも英アームストロング社建造だった。うち3艦が戦闘中に沈んだ。日清はアームストロング社製軍艦で撃ち合った。清がどのような経緯でイギリスに軍艦を発注したか不明だが、先に述べたように英ユダヤ系商社ジャーディン・マセソン社が戦場をウロチョロしていた。
▶一方の日本。軍艦発注には在横浜の英ユダヤ系商社ジャーディン・マセソンとサミュエル商会というユダヤ人経営の商社が間に入った。創業者サミュエル・サミュエルの兄は以前「貝に秘めた思い」に登場したシェル石油創業者マーカス・サミュエルだ。2つのユダヤ系商社はせっせと軍艦を売りつけて大儲け。日清両国合わせて8艦売れた英国製巡洋艦のうち清の3艦が沈んだ。やったね、また売れる。日清戦争に勝利した日本。清から多額の賠償金を手に入れた。やがてロシアがやって来る。両国が激突するXデーのため、戦艦三笠を始めさらなる軍艦をイギリスに発注することになる。戦争、儲かりまっせー。日本と清、戦争する必要あったのかな。させられたように思えて仕方ない。よく分からんまま次号に続く。チャンネルはそのままだ。
週刊ジャーニー No.1397(2025年6月12日)掲載
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