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■ 第276話 ■日清戦争、真の勝利者は誰だ⁉  

▶日清戦争は日本の圧倒的勝利で終わった。戦死者数は日本側が1万3,800人、清側は3万5,000人。1895年4月17日、下関条約が調印された。朝鮮の独立が認められた。遼東半島、台湾、澎湖列島が割譲された他、清の歳入総額2年半分に相当する2億テールの賠償金支払いが決まった。2億テールは当時の価値で3億円前後。日清戦争にかかった費用は約2億円。現在の価値にして数兆円。明治政府は戦費を歳出の切り詰めと一時的増税、そして国債の発行で賄った。外国に頼りたくてもまだ国際的信用が足りず借りられなかったらしい。いずれにしても2億円かけて戦った戦争に勝ち、3億円の賠償金が入って来た。日露戦争に向けて軍艦の爆買いが始まる。

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▶下関条約のニュースがヨーロッパ各国に届くと、たちまちロシアとドイツ、そしてフランスが「遼東半島を清に返せ」と絡んで来た。三国干渉だ。最初に声を上げたのはロシアだ。遼東半島が押さえられることで南満州の海への出口喪失を恐れた。「日本人は脅威だ」とする「黄禍論」を唱えていたドイツ皇帝ヴィルヘルム2世がこの案に乗った。ヴィクトリア女王の孫だ。29歳でドイツ皇帝となり、まだお子ちゃまにかかわらず「ジジィ邪魔。ボク、一人でできるもん」と剛腕の鉄血宰相ビスマルクを追放。さらに「ばあちゃんよりボクの方が優秀だもん」とイキがって第一次世界大戦に突き進んでいった、ヴィクトリア女王の無謀で幼稚な孫。これにロシアやドイツと仲良くしといた方が安全と思った風見鶏フランスが加わった。

列強が寄ってたかって中国を分割しようとする風刺画
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▶追い込まれた日本は遼東半島を清に返還した。三国は清に「取り返してやったぞ」と恩に着せ、さらに2億テールの賠償金の一部を高利で貸し付け。見返りに「土地をしばらく使わせろよ。鉄道敷かせろよ」と迫って租借地とし、のちに植民地化した。特にロシアは遼東半島に軍を進めて事実上、自分のものにしちゃった。ロシアのやり口、ヤクザや地面師が善人に思えるレベル。「今は痛い薪の上に寝て、苦いクマの肝嘗めて我慢。そしていつか100倍返しだ」と言う意味の「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」が日本国民の合言葉となった。三国の図々しい動きに焦ったイギリスも長江流域に進出。眠れる獅子と呼ばれた中国は哀れなほど見事に分割された。近年、中国共産党がアメリカを凌ぐ軍事大国に成長したのも、この時の屈辱が引き金となったと言っても過言ではあるまい。日清戦争は清にとっても「臥薪嘗胆」の始まりだった。


▶日清戦争は日本と清が戦った戦争だ。なのにロシアやドイツ、フランスにイギリスが軍艦や大砲売ったり、賠償金を高利で貸し付けたり、見返りに清の一部を植民地化したりと大儲けした。一番損害を被ったのはもちろん清だが、勝利した日本とて、無傷で色々手に入れた傍観者、英仏独露と比べると得たものは決して多くない。そうだ、日本には賠償金があった。この賠償金、一部は金貨で支払われ、運用名目でロンドンのイングランド銀行に運ばれたとする説がある。イギリスは当時、世界金本位制を推進中で世界中の金を集めていた。事実なら日清戦争、一番儲けた奴の顔が浮かんでくるぜ、なんて盛り上げてみたところで次号に続くざます。あれ、なんか新入りの変なおばぁの口癖がうつった。チャンネルはそのままざます。

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週刊ジャーニー No.1398(2025年6月19日)掲載

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