アフタヌーンティー

ロンドン中心部を東西に貫くように走るオックスフォード・ストリート。ゆきかうのは観光客だけでなく、多くのロンドン在住者がショッピングに訪れる場所でもある。この通りにあるデパート、ジョン・ルイスは取り扱う商品のクオリティの高さには定評があり、安心して買い物ができる場所として親しまれている。

このジョン・ルイスの4階(日本でいう5階)の広いスペースを占める子供服売り場の奥にあるのが、お値打ち価格でアフタヌーンティーが楽しめるハフキンズだ。本店はコッツウォルズのバーフォードという小さな町にあり、チェルトナムやストウ・オン・ザ・ウォルド、ストラトフォード・アポン・エイヴォンなどにも支店がある。


ハフキンズの前身といえるベイカリーをバーフォードで始めたのは、ジョージ・ティットコム氏(George Titcomb)1890年頃のことだった。ティットコム氏は地元のパン職人で、小さな石造りのコテージでパンや菓子を焼き、ロバに引かせた荷車で配達していたという。当時ののんびりとした様子が伝わってくるが、腕は確かだったに相違なく、そのレシピを引き継ぐ形で約100年続いたあと、1999年、コッツウォルズを拠点とするテイ(Taee)一族が買い取り、経営にあたっている。

店名となったハフキンズは、イングランドの伝統的な酵母パンのことで、イングランド南東部のケントで作られ始めた。「ハフキン」は古英語の「huffen(ふくらむ)」という言葉に由来するとされ、ふっくらとした焼き上がりが特徴のパン。ケントでは、サクランボ摘みやホップの収穫作業に携わる人々が、畑でこのパンを半分に切り、たっぷりのバターを塗って食べ、重労働を乗り切っていたという。

現在のハフキンズはベイカリーという枠を超え、ティールームを運営するかたわら、高級ギフト用ハンパーなどを提供するブランドへと大きく成長するに至っている。パン、ケーキ類はいうまでもなく、ジャムやマーマレード、紅茶やコーヒー、チョコレートやファッジなども充実。また、在英日本人や、各国からの観光客のあいだで人気が高いのは、エコ・ジュート・バッグ。サイズは大・中・小とあり、色違いでほしくなってしまう!しかも店内で飲食した買い物客には、エコ・ジュート・バッグは10%引き。バーフォード本店で、取材班の編集スタッフが個人的に3つ購入するのを見た店舗スタッフが、ニコニコしながら、これらのバッグはシンガポールをはじめとするアジア諸国にも輸出されていると説明してくれた。

色違いでほしくなる、エコ・ジュート・バッグ。店内で飲食すると、支払い時にすべてのバッグが10%引きになる(支払い時にレシートを提示する必要あり)。また、子ども用のイスも数多く用意してある。
窓際のテーブルからは、BTタワーなど、オックフォード・ストリートの北側に広がる長めを堪能することができる。
この日のケーキ。ラズベリーのエクレア、ブラウニー、ヴィクトリア・スポンジ、レモン・ケーキ。英国の定番スイーツで勝負。
カウンターにはグルテンフリーのケーキも数種類用意されている。

さて、オックスフォード・サーカスのジョン・ルイス店でのアフタヌーンティーに話をもどそう。ロンドンの中心部で、ひとり32.50ポンドでコッツウォルズの本店と同じアフタヌーンティーが注文できるのは破格。ボリュームのあるサンドイッチから始まり、軽やかな食べ心地のスコーン、甘すぎず、日本人の口にあうケーキ類から感じた第一の感想は、「安定した美味しさ」。

また、子供服売り場の奥に位置することもあり、赤ちゃんや小さな子どもさん連れのお母さんたちも気軽に利用できる希少な店といえそう。逆に、小さな子どもたちと同じ空間でのアフタヌーンティーは落ち着かない、という人には向かないかもしれないが、この値段とクオリティの高さを考えれば、赤ちゃんのひとりやふたり・・・と寛容な気持ちになった取材班だった。

週末は特に混むので、予約がお薦め。オックスフォード・サーカス界隈のショッピングの合間に立ち寄ってみてはいかがだろうか。

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Travel Information ※情報は2026年9月1日現在のもの。

Huffkins Oxford Street Café Tea Room
ハフキンズ オックスフォード・ストリート・カフェ・ティールーム

John Lewis 4th Floor 300 Oxford Street London W1C 1DX
Tel: 020 3489 4470
https://huffkins.com/pages/oxford-street-cafe-bakery-london-john-lewis

■月-土10:00~18:30/日11:30~17:00

■アフタヌーンティー・フォー・ワン£32.50(2人分は£65)
※詳しくは、本店の料金(下記)参照。

コッツウォルズへの玄関口
バーフォード Burford

●丘の上に位置するバーフォードは、1000年以上の歴史を誇る町。8世紀ごろには既に人々が定住しており、1086年のドゥームズデイ・ブック(土地台帳)には、約200人が暮らしていたことが記録されている。

●ウィンドラッシュ川が町を横切っており、町の名前の起源は「守られた地」を意味する「burh」と、「川の渡し場」を意味する「ford」を組み合わせたものと考えられている。

●12世紀初頭に市場開設の許可を与えられ、家畜や羊毛などを扱うマーケット・タウンとして発展。

●町の造りはシンプル。目抜き通りはザ・ヒル The Hill~ハイ・ストリート High Streetで、ハフキンズをはじめ、チーズ専門店、コッツウォルズ製品を扱う店などが軒を連ねる。他のコッツウォルズの町に比べてコンパクトで、アフタヌーンティーと町の散策で合計3時間ほどで済ますことも可能。あまり歩けない、あるいは歩きたくない、でも、コッツウォルズの雰囲気を味わいたいという場合にぴったりの町。

聖ヨハネ・バプテスト教会 St John the Baptist Church

●バーフォードには美しい中世の教会が数多くあり、その中で最もよく知られているのが聖ヨハネ・バプテスト教会 St John the Baptist Churchだ。建設は1175年ごろに始まったが、現在見られる建物の大部分は中世後期に行われた改修によるもの。ウィンドラッシュ川のほとりに建つ。

Burford Map

Huffkins Burford
ハフキンズ・バーフォード

96-98 High Street, Burford OX18 4QF
Tel: 01993 824694
https://huffkins.com/pages/burford-cafe-bakery

■ティールーム営業時間
月-土9:00~17:00/日 9:30~16:00

■ティールームでのメニューの一部

  • アフタヌーンティー・フォー・ワン(※1人前から注文できるのがうれしい。) | £32.50
  • アフタヌーンティー・フォー・ツー(※2人前になっても割引なし。) | £65.00
  • コッツウォルズ・クリーム・ティー(※スコーンは1個。) | £10.50
  • セイボリー・クリーム・ティー(※チーズ・スコーン1個つき。) | £10.75
  • セレブレーション・アフタヌーンティー・フォー・ツー(※スパークリング・ワインまたは他のお酒1杯つき。) | £80.00

■途中で茶葉を変えたり、最後にコーヒーを頼んでも追加料金なし(念のため、その場でご確認を)。

ハフキンズ本店、幸運に恵まれれば、正面の駐車スペースがあいているかもしれない。
ハイ・ストリート沿いには、専門店やかわいい雑貨店などが並ぶ。チーズ好きなら、チーズ専門店でオックスフォード・ブルー(青カビのチーズ)を試してみるのも一案


週刊ジャーニー No.1460(2026年9月3日)掲載

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