gudaguda_title.jpg

■ 第47話 ■
メイフラワー号400周年だってさ

▼イエズス会のことからちょっとだけ話が飛ぶ。先月、米マサチューセッツ州で予定されていた数々の記念イベントがコロナのために中止になったらしい。今年11月21日はメイフラワー号が米東海岸に到着して400年だった。

▼エリザベス1世が1603年に世継ぎを残さず他界し、ジェームズ1世が即位した。スチュアート朝の始まりだ。ジェームズ1世もイングランド国教会を支持し、カトリックとピューリタン(カルヴァン派)を弾圧した。国教会もカルヴァン派もカトリックに対抗するという意味ではどちらもプロテスタントなんだけどお互いにチョー仲悪かった。ヘンリー8世は最初の妻を棄てて次に行きたかったけどカトリックは離婚を認めない。「だったらオレ流の教会を作っちゃうもんね」と言って始めたのがイングランド国教会だ。結果、ローマ教皇に破門されちゃうけど特にカトリックの教義自体に不満があった訳じゃない。ただ王様なのに「あーせいこーせい」上から目線で何かと介入してくるローマ教皇が邪魔くさかった。

▼一方のカルヴァン派はルター同様、カトリックのやり方に異議を唱えて立ち上がった改革派の人たちで、国教会とも水と油の関係だった。「カトリックもアカンけど、国教会もアカーン」と声高に叫ぶカルヴァン派の人々をジェームズ1世は「邪魔くさ!」と弾圧した。そのため彼らは信仰の自由を求めて新天地アメリカを目指した。ピューリタン41名を含む102人がメイフラワー号に乗ってイングランド南西のプリマスを出発し、ハドソン川河口を目指すも間違ってもっと北の、今のボストンに近い海岸に漂着。仕方なくそこをニュープリマスと名付けて越冬した。彼らはピルグリム(巡礼始祖)ファーザーズと呼ばれる。

ピルグリム・ファーザースですけど、何か?

▼新天地での1年目は過酷を極めた。イングランドから持ち込んだ作物の栽培に失敗し、飢餓と厳冬に苦しめられて半数が死んだ。しかし心優しい先住民ワンパノアグ族から食料や毛皮を分けてもらい、トウモロコシの栽培方法などを教えてもらった。初めて作物が実るとワンパノアグ族を招待して祝宴を開いた。感謝祭の起源と言われる。ところが。

▼入植者が増えるとさらに土地が必要になってきた。居住地を拡大すれば当然先住民との間で摩擦が生じる。いくつかの小競り合いを繰り返しているうちに他のインディアン部族との戦闘へと発展し双方に多数の死者が出た。仲間を殺されたことでピューリタンたちの態度も硬化し、インディアンへの憎悪を募らせていった。上陸時、彼らを救ってくれたインディアンたちはその後、続々とやって来るイギリス人やフランス人に圧倒され、迫害された。弾圧から逃れて新天地に渡った人たちによる先住民の弾圧。何という不条理。

▼ピルグリム・ファーザーズの子孫は現在、全米に1000万人、世界には3500万人ほどいると言われている。入植400周年を祝うイベント延期をきっかけにピルグリム・ファーザーズの「是非」を問う論争が一部で展開された。インディアンの中では今でも侵略者の起源だし、白人と非白人の間で評価が割れるのは当然だ。結論など出るはずないがアメリカ人が自らの黒歴史と向き合うのはエエこっちゃ。そういえば、似たような話、日本にもあるぞ。和人とアイヌの関係だ。我々日本人も消しゴムで消せない暗い過去を持つ。ちゃんと向き合う日は来るのかなと心配しつつ次号につづく。チャンネルはそのままだぜ。

週刊ジャーニー No.1167(2020年12月10日)掲載

他のグダグダ雑記帳を読む