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■ 第157話 ■「日本人は規律正しい」は本当か

▶脱線再び。昨年末のサッカーW杯。試合後に会場でゴミ拾いをする日本人サポーターの姿や、選手たちがロッカールームを掃除して去って行く様子が世界で称賛された。日本には八百万(やおよろず)の神がいる。森羅万象に神を感じる日本古来の考え方で神道にも通じるという。選手が試合会場に出入りする際に一礼したり、会場やロッカールームを掃除するのもこの考えに基づくのかもしれない。太古の昔から地震や津波、火山噴火や台風、冷害など、大自然の脅威にさらされ続けて来た日本人にはユダヤ教やキリスト教のような一神教より、万物に神宿るという考え方の方がしっくり来るのかもしれない。筆者自身もその考えを根底に抱えながら育ってきた気がする。

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▶1月末の日本。回転寿司チェーン「スシロー」で備え付けの湯呑みを舐めまわして元に戻したり、廻っている寿司に唾をつけたりする若者の動画がSNSで拡散された。その後、牛丼店やうどん店などで撮影された同様の動画が次々に拡散され、海外でも取り上げられた。10年ほど前にもコンビニ店の従業員がアイスクリーム用冷凍庫の中に入ったり、ピザ店従業員が焼く前の生地を顔に貼り付ける姿が投稿されて大問題となった。ツイッター利用者による愚行が多かったため「馬鹿」と組み合わせた「バカッター」や「バイトテロ」という新語が誕生した。事件後、被害に遭った店が閉店したり、当事者らの名前や学校が特定され退学を余儀なくされたりと、大勢の人生に深い傷跡を残した。今回の騒動は10年前の顛末を知らない未成年者たちの仕業らしい。だとするとまた10年もすれば同じことが繰り返される。

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▶若者たちは幼稚な行動を誇らしげに拡散し、自ら可視化させて自滅した。しかし不正行為は若者の専売特許ではない。かつては腐りかけの肉を他の肉と混ぜて稼いだミートホープ食肉偽装や「囁き女将」でお馴染み、船場吉兆アユの塩焼き使い回しなど、大人による悪事が相次いだ。前頭葉未発達の未成年はいたずらを誇示し、狡猾な大人は悪事を隠蔽する。どっちがより悪質なのだろう。こうした報道に触れる度、筆者にはある疑問が沸き上がる。「日本人は本当に規律正しい民族なのか」。

▶筆者には昔から好きになれない日本人の嫌らしい行動がある。1つは「傘の盗難」だ。雨の日に喫茶店や食堂に入り、傘立てに傘を差しておくと度々傘が消えて途方に暮れた。安価なビニール傘が普及したのは盗られる前提かもしれないと疑う。小学生の頃、自宅前に置いていた自転車が消えた。数ヵ月後、警察から見つかったと連絡を受けて行くと、自転車はペンキで別の色に塗り替えられていた。我が息子は高校生の時、駅の駐輪場で2度、自転車を盗まれて嘆いた。いずれも背景に「ちょっと拝借」という軽い気持ちと「捕まっても大した罪にはならない」という小賢しい計算があるような気がする。花見の季節は美しい桜の木の下が、夏はBBQ禁止の河川敷がゴミの山と化す。傘にも自転車にも公園にも河川にも八百万の神は宿るはず。なのになぜこうも日本人の倫理観や道徳心は低いのか、頭が混乱する。サッカー会場でゴミ拾いをして世界から賞賛される日本人と、軽い気持ちで他人の傘や自転車をちょいと拝借、花見会場や河川敷にゴミを置き去りにする日本人。一体どっちが日本人の本質なのだろう。筆者程度のオツムでは到底答えに辿り着けないや。てなこって次号に続く。チャンネルはそのままだぜ。

週刊ジャーニー No.1278(2023年2月16日)掲載

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