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■ 第152話 ■テスラがドタバタしてる説

▶昨年末、テスラに関連するネガティブなニュースがボコボコ浮上した。テスラは米国製の電気自動車(EV)ね。そのテスラが年末、北部イングランドに集結した。鉄道ストがクリスマスや新年を故郷で迎えようとする帰省客の足を直撃。多くの人が電車を諦め、車に切り替えた。充電ステーションの数が足りてないところに大量のテスラが出て来ちゃった。悪いことは重なる。昨年末、イギリスは大寒波に見舞われた。EV車は冷暖房をつけたり坂道を上ったりするだけでも電費が悪化する。テスラオーナーは電欠の危機に直面。電池残量が心細くなった人たちが次々と充電に駆け込んだためステーション大混乱。テスラオーナーの会ツイッターアカウントには「前に15台のテスラが待っている」「もう3時間も並んでいる」といった悲鳴にも近い投稿が相次いだ。

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▶現在イギリスでは約42万台のEV車が登録されている。政府は2030年までに30万ヵ所の充電ステーション設置を目指している。ところが現時点では3万5,000ヵ所。達成率わずか12%と全然足りていないが、コロナやウクライナ対策もあり財政的に厳しい事情もある。イギリスで登録されている自動車(トラックやバスは除く)は3,300万台。政府は全てを電化する目標を掲げているようだが、それって可能? さらに新車価格が3万ポンドを切るEV車はごくわずか。一方ガソリン車で一番安いのはダチア社(ルーマニア)のもので新車でも1万3,000ポンド程度。全国民に3万ポンド以上するEV車を買えって言うの? 何より3,300万台を走らせるだけの電気、誰がどう供給するの? 今でも電力供給、不安定だっつのに。

イーロン・マスク
話題のイーロン・マスクですが、 何か?

▶筆者はEV懐疑派だが、盲目的に否定する者でもない。ただ、スタンドが各地にあってわずか数分で満タンになり、5分もあれば旅を続けられるガソリンやディーゼル車に今はより心の平和を感じる。筆者自身、17年ほどハイブリッド車を所有しているが燃費も良く、CO2排出量も少なく大変満足している。EV車は価格、航続距離、少ない充電ステーション、充電に要する時間等の問題が全然解決していない。近距離グルグルだけなら問題ないが、取材等で遠距離を運転する身。EV車はガソリンやハイブリッド車と比べてまだまだ不安要素が多過ぎる。今より不便かつ不安になると分かっていてチャレンジする勇気も気骨も金もない。

▶昨年末、テスラ社の株価が暴落した。年初と比べると約70%下落し時価総額は1兆1,366億ドル(約138兆6000億円)から3,418億ドル(約45兆7000億円)に減少した。経営者なら血尿出るレベル。CEOのマスク氏が買収したツイッター社の再建に熱中する中、裏でこっそりテスラ株を売却していたのを投資家が嫌ったと言われている。でも本質は世界中のユーザーが「EVってベストの選択肢じゃないんじゃね?」と気付いたのが最大の原因と思う。車は庶民にとって大きな買い物。多様性の時代、押しつけは時代に逆行する。政治や国家間のマウント取り合戦の末に未熟な商品押し付けられたんじゃたまらん。電気か水素かガソリンかハイブリッドか。どれも一長一短あるが、途上国のことを考えれば当面はインフラ再構築を必要としないハイブリッドの進化版が最善に思える。でも、そうはさせない謎の力が働いてんだろな。いずれにしてもどれか一つに限定することに激しく反対。決めるのは消費者だ。今年も当欄、こんな感じでグダグダ行くよ。チャンネルはそのままだぜ~い。

週刊ジャーニー No.1273(2023年1月12日)掲載

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