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■ 第149話 ■W杯、便所の落書きがウゼェ

▶カタールで開催中のサッカーW杯。4年に1度、この祭典が始まるとどこからともなく湧いて来るウサン臭い俄かファン。私だ。直前までW杯がいつ開幕するかも知らなかったくせに始まった途端ウンチク語るヤツがいる。私だ。日本代表の半分以上、顔も名前も知らなかったけどスタメンに口挟むヤツがいる。私だ。4年に1度、色んな私に会えて嬉しい。1次リーグ、グループEは「死の組」と呼ばれた。しかし蓋を開けてみたら日本はドイツとスペインを撃破して6ポイントゲットの1位通過。世界中が目を丸くした。スペインを含む4チーム全てに1次リーグ突破と敗退、両方の可能性があったため、12月1日の夜は最後まで心臓バクバク。おかげで寿命が10日は縮んだ。後期高齢者なら余生10日短縮は一大事だ。

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▶サッカー素人がこれ以上語ることはないが1次リーグ期間中は素敵なことばかりではなかった。初戦、強豪ドイツを破ったことで日本の1次リーグ突破は俄かに現実味を帯びた。監督や選手たちの評価は爆上がり⤴。そしてコスタリカ戦。イケると思い込んでいた相手にまさかの敗戦。途端に森保ジャパンの評価ドカ落ち⤵、そして戦犯探し。監督や特定選手への心ない誹謗中傷がSNS上で飛び交った。残念な試合だったけど、サッカーに人生を捧げて来た人たちがイケると信じて決めた布陣。落胆は共有するが手の平返しが酷すぎないか。そしてスペインを撃破し日本が1次リーグ突破を決めると評価再び爆上がり⤴。激しい手の平返しの連続で手首捻挫するんじゃないか。残酷な言葉で監督や選手たちを誹謗中傷した全国の匿名名無しの権兵衛諸君、善良なサポーターに紛れてシレッと「感動をありがとう」とか書き込んでないでちゃんと反省しようぜ。

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▶日本からカタールまで観戦に行ったらどれくらいするのか。往復航空券、宿泊代、チケット1試合分だけで最低でも40万円位らしい。これだけ投資し、往復20時間かけて応援に駆け付ける人たちの多くは恐らく本物のサポーター。きっと監督や選手を罵ったりしない。心ない誹謗中傷はコタツの中で鼻でもほじりながら観戦しているサッカーも人生も分かっていない未熟な輩によるものだろう。匿名だと人は途端に勇ましくなる。匿名の誹謗中傷は便所の落書き。茶の間や赤提灯で愚痴る程度なら健康的だが、SNS上の落書きは布に垂らした墨汁と同じ。広く拡散し、相手の心に深いシミとなって永遠に残る。だから戦士のために私は歌う。「闘う君のことを、闘わない奴らが笑うだろう。ファイト!」。いいこと歌う。ん? 中島みゆきも同じようなこと歌っているの? ギリ訴えられるレベル? え~っ(;’∀’)。

▶今大会でも日本のサポーターが会場でゴミ拾いをし、世界のメディアで賞賛された。その一方で「偽善的だ」と批判する声も聞こえた。言わせておけば良いが、そもそもこれって日本の文化なの? 私個人は観戦後にゴミ拾いなんかしたことない。したいとも思わない。自宅のゴミすら片付け無理。ゴミ拾いは立派なことだと思うけど、それをする私が私の中にいない。でも、現場にいたら同調圧力でやっちゃうんだろな。だって心がガラス細工。サッカーW杯はいいも悪いも自分の知らない日本人の姿や、気づかなかった自分の本質をチラ見できて興味深かった。ベスト8入りは4年後にお預けになっちゃったけど、凍てつく夜が激アツになった。みんなブラボー。胸張って帰ろう。ありがとね。チャンネルはそのままだぜ。

週刊ジャーニー No.1269(2022年12月8日)掲載

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