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■ 第100話 ■日本人よ、下を向いて歩こう

▼今年最後のグダグダはロスチャイルドから離れて明るい話題で締めくくるぜ。脱炭素が叫ばれている。今後、化石燃料での発電はどんどん厳しくなっていく。特に日本では原発のフル稼働も難しい。そんじゃ今後、どうすんだニッポン。あるよあるよ~、日本にはスゴイものが。地熱だ。温泉はいいよね。違う。もっと深~い所の地熱を使った高温岩体発電だ。

▼地表に住んでいると気づきづらいが、地球の中はとんでもない高温だ。地球は今から46億年くらい前に無数の小惑星が衝突して出来た。衝撃で莫大な熱が発生し、地球はしばらくドロドロの液体だった。だから地球は丸い。やがて表面が冷えて地殻が出来、色んな生物が誕生したけど、地球の内部は今も出来たてのタコ焼きのようにドロドロのアツアツだ。地殻の厚さは地表からわずか40キロ程度。京都・大阪間くらいだ。そこから先は地球の中心に向かって2900キロくらい熱々のマントルが続く。温度は浅い所で1000℃。深い所で4000℃前後。さらにその先に6000℃の核がある。我々の足下では今も灼熱マントルが対流している。

地球の内部構造
地球の内部構造ですが、何か?©気象庁

▼これまで主流だった地熱発電は乱暴に言えばマグマで熱せられた地下水貯留層を探し当て、そこから蒸気を取り出し、タービンを回して発電する仕組み。掘ってみたけど熱水がなかったってこともある上、熱水を汲み上げるとパイプにケイ素やカルシウムなどのスケールが詰まっちゃうので何年かに一度、パイプを付け替える必要がある。一方、高温岩体発電はザックリ言えば岩盤が超高温になっている部分にパイプを掘り進め、そこに上から水などの液体を流し込んでチンチンに沸かして循環させ、蒸気でタービンを回して発電するという技術。これなら地下水貯留層を探す必要がないし、注ぐ水や液体にスケールも含まれないのでパイプが詰まる心配もない。

▼火山大国日本は高温の岩盤が地表から近いところにある。地熱資源量はアメリカ3000万キロワット(kw)。インドネシアは2779万kw。そして日本は2347万kwで世界第3位。4位以降は700万kw以下というから地熱資源量に関して日本は間違いなく超大国。「取らぬ狸」的に言えば原発20基分に相当するポテンシャルという。しかも石油や石炭、天然ガスと違って地熱は枯渇する心配がほとんどない。従って奪い合いも発生しない。まさに夢の資源。

▼日本でも20年くらい前に真剣に取り組んだ時期があったけど、設備投資が大き過ぎたり、発電コストが高過ぎる等の理由で研究は頓挫した。しかし今、アメリカやインドネシアでは本気のプロジェクトが進んでいる。インドネシアの高温岩体発電所を作ったのは日本の企業だ。しかし良いことばかりではない。世界に先駆けて高温岩体発電に取り組んだスイスでは稼働後になぜか地震が多発。周辺の建造物に甚大な被害を及ぼした末、プロジェクトは中断された。日本には触われない国立公園が多く、温泉組合の反対も根強いなどクリアしなきゃいけない課題も多い。1億5千万キロ先からはるばるやって来る太陽光や気まぐれな風を利用しての発電も素晴らしい。でも、足下わずか数キロ先には日照時間や気象条件に左右されず、CO2もほぼ出さず、再生可能な熱源がふんだんにある。脱炭素を謳う中、これを使わない理由ってあるの? 日本の足下は熱量の宝庫。山積する課題にはこの際目をつむり、夢と希望に満ち溢れたところで来年に続く。チャンネルはそのままだぜ! 良いお年を。

週刊ジャーニー No.1220(2021年12月23・30日)掲載

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