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■ 第98話 ■リンカーンが殺られちまった

▼第5代大統領アンドリュー・ジャクソンが第2合衆国銀行を打倒した。しかしその後もロスチャイルド家による通貨発行権独占の野望が消えた訳ではなかった。1861年、リンカーンが第16代大統領になった。この時アメリカは商工業が発展した北部と、綿花やタバコなどの農業主体の南部が激しく対立していた。北部では産業革命が進み、様々な機械を自国生産できるまでになっていたため英国製品を締め出すべく保護貿易を主張していた。一方の南部では奴隷を使って綿花を大量生産してイギリスに買ってもらっていたため自由貿易を唱えていた。当然イギリスは南部を支持した。そんな時、「奴隷、あかん」と訴えたリンカーンが大統領選に勝っちゃった。そこで奴隷制度の存続を求める南部11州が合衆国を離脱し、アメリカ連合国(Confederate States of America: CSA)を結成。アメリカはUSAとCSAという2つの国家に分断された。

▼「いいぞいいぞ、しめしめウシシ」と遠くからこの混沌を眺めている一団がいた。ロンドンのシティを牛耳っていた金融資本家たちだ。アメリカはかつてイギリスの植民地だった。それがある日、生意気にもボストンで紅茶を海に投げ棄て本国に噛みつき、ドンパチやった末にイギリスを蹴散らして独立した。さらには独自の産業革命も成し遂げ、今やイギリスの脅威になろうとしていた。ロスチャイルド家にしてみれば本拠地である大英帝国が世界を牛耳っているのが最良のシナリオだった。なのでアメリカが分断され、合衆国と連合国という2つの中サイズ国家に落ち着くのは好都合だった。南北戦争が始まった。初めはイギリスの支援を受けた南部が勝ち進んだが、リンカーンが「奴隷解放宣言」を高らかに謳って世界を味方につけたことによりイギリスは南部を支援しづらくなった。結局5年近く続いた戦争は北軍が勝利し、連合国は消滅。アメリカが2つに分断される危機は回避された。

ジョージ4世で
グリーンバック紙幣ですが、何か?

▼南北戦争初期、戦争の資金を調達するためにウォール街を訪れたリンカーンだったが、南部を支持する銀行団は法外な利息を要求し、借りられないよう仕向けた。「だめだこりゃ~」と諦めた怒り屋長介リンカーンは、政府独自の紙幣発行に踏み切った。既にいくつも出回っていた他の銀行券と区別するために裏面を緑色で印刷したためその紙幣は「グリーンバック紙幣」と呼ばれた。1862年には法貨条例を制定。「今後、グリーンバック紙幣をアメリカ合衆国の通貨としま~す」と声高々に宣言した。ロスチャイルドらによるアメリカ分断、そして通貨発行権独占という2つの野望はリンカーンによって同時粉砕された。南北戦争は1865年4月9日、リー将軍が降伏したことで事実上終了した。そしてそのわずか5日後の4月14日、観劇中だったリンカーンは後頭部を撃ち抜かれて死んだ。犯人は南部を支持する俳優と言われているが、犯行後、警官に射殺されたので真相は闇の中。こうして政府発行のグリーンバック紙幣もドサクサの中で廃止された。リンカーン暗殺の黒幕は誰か。みんな長生きしたいから、結局誰も断言しない。

▼ジャクソンやリンカーンがヨーロッパの金融資本家たちの手から命懸けで守ろうとしていたアメリカの通貨発行独占権。イギリスは既に陥落したが、アメリカは頑張って防衛していた。ロスチャイルドの超大物代理人と繋がったペリー提督が突然日本にやってきて「開国しろ~」と脅すのは、こういう世界情勢の中でのことだ。日本の通貨に魔の手が迫る中、次号に続く。チャンネルはそのままだぜ。

週刊ジャーニー No.1218(2021年12月9日)掲載

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