gudaguda_title.jpg

■ 第25話 ■
白人も有色人種だっちゅーの

▼白人に言わせると、白人以外は全部カラード、有色人種らしい。白人の多くが知らないようだから教えてあげよう。白も色の一種だぞ。絵の具や色鉛筆のセットにしっかり白があるのを見たことないの? 有色の反対語は無色であり、透明のことだ。つまり白人とは白い肌を持つ有色人種である。絵の具や色鉛筆では白も黒も茶も黄も皆平等だ。ところが肌の色となると途端に白がでかい顔をして他の色を見下し始める。なぜだ?

▼人類がアフリカで誕生し世界に拡散したのであれば、我々の先祖はすべからく黒人だ。肌の色は紫外線から身を守るメラニン色素の量で決まるという説が有力だ。なので紫外線を多く浴びる地域では肌の色は黒くなり、少ないエリアでは色が薄まっていく。白人、とりわけゲルマン系の民族はヨーロッパの中でもさらに北方の日が当たらない地域に押し込められていた。そのためメラニン色素をさほど必要とせず、肌が白くなったと推測される。後に世界中で悪さするゲルマン民族が、なぜそんな暗くて寒くて土地も痩せて食料も乏しいところにいたのか。弱者だった彼らが強者に追われて逃げ込んだと考えるのが自然だろう。

▼初めて鉄を精製したのは今のトルコにいたヒッタイトと呼ばれる人たちだ。鉄鉱石を高熱で焼いて良質な鉄を取り出した。鉄によって武器は強力となり戦車も作られた。その後、製鉄技術はウクライナあたりまで北上したが、そこで進路を東に変えた。4世紀ごろ、その東からヨーロッパにフン族が攻め入ってきた。ゲルマン民族は抗う術もなくキャーキャー言って逃げ出し、ヨーロッパ中になだれ込んだ。後に言うゲルマン民族大移動だ。以降、ゲルマン民族は狭いヨーロッパ内で陣取り合戦に夢中になる。

▼このように歴史的に見ると、いわゆる白人が非白人よりも優秀であるという根拠は存在しない。それどころか、ヨーロッパとはエジプトや中東といった南方から来る先進文明をコピーすることで発展した。ところがヨーロッパの人々はこれを認めず、ギリシャの神殿や彫刻が白っぽかったことから「ヨーロッパ文明とはギリシャで独自に生まれたもの」と都合よく誤解し、ギリシャをヨーロッパ文明発祥の地と呼んで崇拝。「ギリシャ文明は純粋な白。ヨーロッパ文明は汚れなき白」と決めつけて優越感に浸った。

▼近年、科学技術はヨーロッパに不都合な真実を突き付けた。白いパルテノン神殿やギリシャ彫刻に特殊な光を当てると様々な塗料のあとが浮かび上がってきてしまった。しかも、色づけに使用されていた顔料にはエジプトでしか作ることができない「エジプシャンブルー」やペルシャ製の顔料が多く含まれていた。残された顔料のデータを調べてCGで再現すると遺跡や彫刻は白とはほど遠く、どぎつい色付けがされていた。ギリシャ文明はオリジナルではなくアフリカや中東の模倣であり、白い文明とは程遠かったことがバレちゃった。「どうする? ヨーロッパ」。簡単だ。「知らんぷり」だ。人は都合の悪い話が聞こえてくると急に難聴になる。「ヨーロッパ文明は白」という思い込みは大英博物館を舞台に、さらなるスキャンダルを生む。もったいつけて次号につづく。チャンネルはそのままだぜ。

週刊ジャーニー No.1145(2020年7月9日)掲載

他のグダグダ雑記帳を読む