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■ 第23話 ■
白と黒の大移動 その1

▼世界中がコロナ封じ込めに躍起になっている最中、米ミネソタ州で黒人男性が白人警官に首を圧迫されて死亡する事件が発生した。その後、アメリカで始まった人種差別反対デモや暴動は瞬く間にヨーロッパにも飛び火した。イングランドのブリストルでも奴隷貿易で巨万の富を築いた人物の銅像が引きずり倒され、湾に放り込まれた。欧米は白と黒を巡ってにわかに騒がしくなった。

▼1492年、スペインはイベリア半島からイスラム勢力排除を完成させた。同年、そのスペインの援助を得たコロンブスがアメリカに辿り着いた。これ以降スペインはポルトガルの後を追って大航海時代に突入する。つまり1492年とは白人が本格的に世界侵略に乗り出した年であり、我々日本人を含む非白人にとって受難の始まりの年でもある。コロンブス以降のスペインは現ハイチやドミニカ、キューバなどカリブ海の島々を襲って先住民(インディオ)を皆殺しにした。さらに中南米ではアステカやインカ帝国をあっという間に壊滅させた。スペイン人らがインディオの集落に現れると同行していた司祭が「キリスト教を受け入れなさい」と書かれた催告書を声高々に読み上げた。スペイン語で。催告書には「イエスが宇宙の主で、彼が聖ペテロをローマ大司教に任命し、ローマ法王がスペイン国王にアメリカを授けた」と書かれていた。スペイン語で。「拒否することで生じる死と損失はすべて君らの責任だよ」と書かれていた。しつこいようだけどスペイン語で。言葉が分からずポカンとするインディオたち。逆らえば皆殺し。従う者は奴隷とされた。スペイン人らによって直接殺されたり、ヨーロッパから持ち込まれた天然痘やチフスといった伝染病で間接的に命を落としたインディオは最小で4千万人、最大で1億人と言われている。ひでー。

▼「なぜキリスト教徒はかくも簡単に大量の人間を殺せたのか」。この疑問に答えられる人は少ない。なぜなら問い自体に語弊があるからだ。当時のキリスト教は旧約聖書にある「神はその代理人としてまず人間を創り、その下に被造物の動物、その下に万物を創った」という一節を都合よく解釈し利用した。つまり動物は人間の生活を支えるために神が後から作ったものなので家畜にしたり、殺しても許されるんだよ~という解釈だ。ここで言う人間とはキリスト教徒のことだ。それ以外は動物であり家畜である。殺しても罪に問われることはない。兵士らと一緒に現地に赴いていた司祭らがあろうことか「それを神はお赦しになりますよ~」と太鼓判をポンポン押しちゃった。「なぜキリスト教徒はかくも簡単に大量の人間を殺せたのか」。答えは「インディオは人間ではなく家畜だったから」。滅茶&苦茶だ。

▼先住民が大量に虐殺されたり病死したため労働力が一気に低下した。さらにキリスト教に改宗したインディオは動物から人間にアップグレードしたため奴隷として使えない。ある日スペイン人は気がついた。「あれ~? 金や銀は誰が掘るんだ? 砂糖や綿花は誰が収穫するんだ?」。自ら激減させた労働力を補うため、黒人と言う新たな家畜をアフリカから大量にお取り寄せすることになる。なんか話が壮大になってきちゃって続ける自信ないけど無理して続けちゃう。チャンネルはそのままだぜ。

週刊ジャーニー No.1143(2020年6月25日)掲載

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