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2013年10月10日 |
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ご当地ワインと郷土料理&名産物②サヴォワ&ジュラ
モンブランのお膝元
今号では、ブルゴーニュの東にある、サヴォアSavoie地方とジュラJura地方に目を向けてみたい。
冷夏になるかと思われたものの、例年にない高温と好天が続いた夏も終わり、そろそろ年末年始のスキー旅行をお考えの方々もおられることだろう。フランス側のアルプス山脈にはシャモニーを始め、ラトゥール、フジェールそして、アルボアといった有名なスキー場が点在するが、これらはみなフランスのサヴォワ地方に位置している。この地方は、ヨーロッパ最高峰モンブラン(4,810メートル)を背後にひかえた山岳地帯で、澄み切った山の大気、良質な雪、湖と川に恵まれた国際的な保養地として知られている。また、詩人ルソーが愛した地、そして作家スタンダールの故郷でもある。
話が飛ぶが、007のジェームズ・ボンドが映画の中で、バーで常に注文する飲み物「Vodka Martini, shaken not stirred」の「vodka martini」とは、ウォッカにマティーニを加え、シェイカーでシェイクしてつくられるカクテル。この「マティーニ」はブランド名で、製品名はヴェルモットvermouth、つまりニガヨモギの一種で香りづけしたワインのこと。ヴェルモットの産地として世界的に名高いのは、マティーニの生産地であるイタリアのトリノと、このサヴォワ地方の首都のシャンベリーChambéyだ。
『山のワイン』の産地
さて、話をワインに戻そう。サヴォワのワイン産地だが、北はレマン湖から、南はグルノーブル(1968年に冬季オリンピックが行われ、一躍有名になった古都)の北の町であるサント・マリダロSainte-Marie-d'Alloixの周辺までの約60村を含む山岳地帯だ。ワイン産地としての面積はボルドー地方と同じほどあるが、ワイン生産量となるとボルドーの5分の1しかない。ラベルには「Vin de Savoie」と記され、多くはジャケールJacquère種を主体とした口当たりのやわらかい白の辛口ワイン。白ワイン用には他に、アルテスAltesse種、シャルドネChardonnay種、アリゴテaligoté種、シュナン・ブランChenin Blancが用いられ、赤ワイン用にはガメGamay種、モンドゥーズMondeuse種、ピノ・ノワールPinot Noir種が使われている。ガメ種から造られる赤ワインには果実香味豊かで軽めのものが多く、一方、モンドゥーズ種から造られると、スパイシーで深みを持つ重めの赤ワインになる。なお、ラベルに「ムスーMousseux」と書かれているものは、発泡性ワインだ。
パスツールの故郷で造られるワイン
サヴォワの北方には、サヴォワ地方と共に『山のワイン』産地として知られるジュラ地方がある。19世紀に寄生虫による深刻な打撃を受け、その後の回復も遅かった。この歴史を反映してか、残存したワインには非常に伝統的で個性的なものが多い。中でも特に個性的なワインとして挙げられるのはヴァン・ジョーヌVin Jaune(「黄色いワイン」という意味)と、ヴァン・ドゥ・パユVin de Paille(「わらのワイン」という意味)。ヴァン・ジョーヌはサヴァニャンSavagnin種から造られる辛口の白ワインで、長年、意図的に酸化させながら熟成させるので、シェリーのような独特の香味を持つ。ヴァン・ドゥ・パユは収穫したブドウを屋根裏部屋で干し、やや乾燥させてから造られるデザート・ワイン。ちなみに、ジュラはアルコール発酵の謎を解いたパスツールの生まれ故郷でもある。
さて、この地方で見逃せない名産物に、アヌシー湖でとれるオンブル・シュヴァリエOmble Chevalierと呼ばれるアルプスの岩魚(いわな)=写真右=がある。また、チーズ産地としても有名なこの地方で特にお勧めしたいのは、ボーフォールBeaufortチーズ=同右。このチーズは、アルプスの高地ならではの味わいのある風味とコクを備えたチーズで、特にコート・ドールの古い赤ワインとの組み合わせは絶妙といえる。












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