ステーキ&エールパイの缶詰、食べてみた

こんな缶詰、スーパーで見た事ありませんか? ステーキ&エールパイの缶詰。ずっしり重いのですが、これでお値段2ポンドちょっと。パイがどうやって缶の中に入っているんでしょ。食べたいとは思わないけど仕組みが気になるので買ってみました。缶の裏に調理法が書いてあります。缶切りで上蓋を外したら230℃程度のオーブンで25から30分程度焼きなさいとのこと。早速缶を開けてみたらなんだか危険な肌色の物体が詰まっている。これ、人間の食べるものでしょうか。それとも間違えてペットの餌を買ってきてしまったのかしら。でも表を見るとステーキ&エールって書いてある。犬や猫にもステーキ&エール食べさせるのかしら。いや、どうみても人間様の食べ物らしい。とにかくマニュアル通り蓋を切り取りオーブンに突っ込んで230℃で30分焼いてみました。するとどうでしょ。見事にパイ生地が膨らんだ! やけどに気を付けながら缶を取り出しナイフでパイ生地を切ってみるとなるほど中にしっかりステーキの煮込みが入っている。本来はこのまま缶を器にして食べるのだそうですが、今回はちょっとお皿に盛り付けてチンするだけのご飯を添えてみました。食べてみました。椅子を蹴って叫ぶほどじゃないけれど悪くない。いやそこそこ美味しいぞ。。。なんかジャングルの中でそっと食事をする兵士のような気分になります。ちょっと調べてみたらこのFray Bentosとは19世紀末に創業した加工食品の会社で最初はウルグアイに工場ができたんですって。その工場が建てられた土地の名前がFray Bentos。そこでコーンビーフの缶詰を作り始めたらたまたまアフリカでボーア戦争が勃発。まさに兵糧として英軍から大量発注があり会社は大躍進。その後も第一次、第二次大戦で戦地に缶詰を送り続けて大繁盛。兵士には大人気だったんだとか。さらにはやられたら鉄の缶の中で肉が調理される様子を皮肉ってある戦車部隊はFrey Bentosと呼ばれるほど兵士の間には浸透していたんだとか。第二次大戦後は軍隊の食事も多様化して需要は減ったようですがそこで発売したのがこういったパイの缶詰シリーズ。イギリス人にとってはノスタルジックな食べ物なんですね。これ食べて育っていない我々は恐らく何もノスタルジーを感じないはずですがなるほどチックなイギリスの食文化を垣間見ることができます。しかし230℃のオーブンに30分って、決して即席じゃないし光熱費等考えると手軽に楽しめるインスタント食品じゃないですね。パイ料理をオーブンで焼くとバター等がお皿にこびりついて洗い落とすのが大変です。その点缶詰のままいただけば洗い物の心配もなし。合理的なのか非合理的なのか、褒めていいのかけなしていいのか、よく分からない商品です。よろしかったら一度お試しあれ。

cookbuzz編集部

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