見どころ満載のマルタ島

セングレアの先端にそびえる、変わった彫刻で有名な監視台「ヴェデッテ」。ヴァレッタの街を見渡すことができる。 ロンドンからマルタまでは、直行便で約3時間のフライトだ。マルタでの交通手段は、自動車か路線バスのみ。マルタ本島でさえ、端から端まで移動するのに車で1時間とかからない小さな島であるが、観光のハイライトと言えるスポットを効率よくまわるためには、やはり車での移動は欠かせないと思われる。交通ルールは日本や英国と同じなので、レンタカーを借りる場合も運転しやすいだろう。
今回のマルタ取材は、マルタ島とゴゾ島の訪問という「2本立て」。騎士団の残した中世の香り高い城塞、謎多き古代の巨石神殿、神話に登場する洞窟、蒼く輝く海や入り江など、マルタの見どころは尽きない。さらに、ボートクルーズやシュノーケリングといったアクティビティも楽しみたいとなると、訪れる場所は絞らざるを得ないほどチョイスが多い。
迷ってしまう場合に備え、まずはマルタ島について、タイプ別に「見逃せないスポット」を取り入れたモデルコースを独断で提案させていただくとすれば、次の2コースになるだろうか。

 

コース①  ――歴史を堪能したい人向け
中世の城塞都市ヴァレッタとその周辺

【主な観光スポット】
聖ヨハネ大聖堂、騎士団長の館、カーサ・ロッカ・ピッコラ(貴族の家)、
アッパー・バラッカ・ガーデンズ、スリー・シティーズ

 オスマン帝国からヨーロッパを守る最終防衛拠点として、マルタ騎士団が建設した首都ヴァレッタ。城壁の中には、碁盤の目状に整えられた街路に沿って320もの重要建造物がひしめきあう。建物に使われている「マルタストーン」と呼ばれるハチミツ色の石、張り出したバルコニーはマルタ名物。また、街中に海風を走らせて涼を取るために、街路はすべて海に向かって坂になっている。どの道の先にも海が見えるので、ぜひ実際に確認していただきたい。
ヴァレッタ観光を終えたら、次はグランド・ハーバーを挟んでヴァレッタの対岸にある城塞都市群スリー・シティーズ(セングレア、コスピーク、ヴィットリオーザの総称)へ行ってみよう。同地は1571年にヴァレッタに移されるまで、騎士団の拠点であった場所。大包囲戦などで激戦地となったため、現在でも戦死したオスマン・トルコ兵の幽霊が頻出するという。セングレアの先端にあるセーフヘブン公園には、目や耳などの彫刻があしらわれた有名な監視台「ヴェデッテ」があり、これらの彫刻は「しっかりと見よ、しっかりと聞け」と監視の心得を表している。
ちなみに、このコースで組み入れたいのが、セングレア湾から発着するミニボートでのハーバーめぐりだ。かなり揺れるため、これが結構怖い。だが、地中海上に漂いながら眺める堅固なヴァレッタやスリー・シティーズの街並みは一見の価値あり。約30分かけてグランド・ハーバー内を一周する。

 



マルタ騎士団の守護聖人、聖ヨハネに捧げられた聖ヨハネ大聖堂。
質素な外観に反し、内部は絢爛豪華。

 

コース②  ――神秘や謎を追求したい人向け
ブルー・グロット/古代の巨石神殿/沈黙の古都

【主な観光スポット】
ブルー・グロット、ハガール・キム神殿、ムナイドラ神殿、イムディーナ、ラバトのカタコンベ

 マルタ島南部の断崖にあるマルタ版「青の洞門」ことブルー・グロット(本家はイタリアのカプリ島)は、空港から車で10分ほど。波と風で断崖が削られてつくられた自然のアーチは圧巻で、約30分の遊覧ボートの旅が楽しめる。マルタで結婚したカップルは、花嫁にこの青を見せに連れてくるのが慣わしという。
幻想的な青を堪能した後は、小高い丘の上にたたずむ巨石神殿へ。数十トンにも及ぶ巨石が整然と並び、豊穣のシンボルである女神像が飾られていたり、身分の違いによって出入り口や祈りの部屋が分かれていたりする神殿からは、文明の高さが感じられる。とくに、ムナイドラ神殿は岩壁に建っているので、海を背景にしたその幻想的ともいえる光景に畏怖の念も湧き上がってくる。
次に向かうのは、1530年に騎士団が初めてマルタ島へやってきた時の最初の首都イムディーナ。ヴァレッタに遷都した後は放置され、「サイレント・オールドシティ(沈黙の古都)」と呼ばれるようになった。敵襲からの弓攻撃を防ぐため、街路が狭く迷路のように入り組んでいる。また、城壁に囲まれているイムディーナの外側にある、聖パウロが訪れたと伝わる教会やマルタ最大のカタコンベ(地下墓地)が見学できる町ラバトもお勧めだ。

 

英王室御用達の5つ星
フェニキアホテル
1939年に建設された、アールデコ様式の5つ星ホテル。エリザベス女王夫妻も宿泊したという格式ある同ホテルは、ヴァレッタ市街のすぐそばに建ち、路線バスの発着ターミナルにも隣接しているため、観光にとても便利。港を一望できる屋外プールや早朝散歩に適した庭園も併設、夏季にはマルタ島北部のビーチへの無料シャトルバスサービスもある。部屋は少々手狭ではあるものの、宿泊者を対象にしたウェルカムパーティーが開かれたりと、サービスは◎。

Hotel Phoenicia Malta
The Mall, Floriana (www.phoeniciamalta.com