その目と足で確かめたい! ハドリアヌスの長壁
| 長さ | 80ローマン・マイル(現在の73マイル=約117キロメートル) |
| 幅 | 8ローマン・フィート(約2.4メートル) |
| パターン | 主要な部分には、1ローマン・マイルごとに要塞(milecastle) を構築。ローマ軍兵士が駐屯したほか、2世紀以降は(2世紀までは、兵士に妻帯は認めれていなかった)その家族らも住んだ。要塞にはお風呂、床下暖房、武術訓練のできる屋内ホールなどが設けられていたことが調査で判明している。 |
| 建造過程 | 3段階にわたって整備された=上図参照。 |
公共交通機関で制覇できる! ハドリアヌスの長壁攻略法
ポイント 1
ハドリアヌスの長壁見学の拠点となるのは、
東のニューカッスルか、西のカーライルのいずれかの都市。
ニューカッスルのシンボル的存在、タイン・ブリッジ(手前右に見えるのはスウィング・ブリッジSwing Bridge)。
要塞として重んじられてきた、カーライル城。 |
どちらかの都市を選び、自分で車を運転して長壁をめぐるのがベストなのだが、例えばニューカッスルまでロンドン中心部から車で行くとなると、280マイル(約450キロ)余りを運転することになる。 |
ポイント 2
ロンドンから電車で行く場合、上記2都市のうち、
どちらかに拠点を絞ったほうが効率が良い。
実は、2泊3日の取材を計画した編集部スタッフは、まずニューカッスルに入って1泊→1日かけて長壁の主要ポイントをめぐってカーライルへ→翌日、カーライルを取材してロンドンへ帰着というコースをとったのだが、基本的に荷物を預けることのできる設備(ロッカーなど)がどこにもないため、荷物を持ち歩くしかなかった。事前に「荷物を預けることはできない模様」との情報は得ていたので(ミュージアム、あるいはビジター・センターによっては、頼めば短時間、荷物をキャッシャーの陰に置かせてくれるような親切なところもあるが、確約はなし)、幸い、荷物はショルダーバッグ程度に抑えており、持ち歩くことができた。とはいえ、これを読者の方々に敢えてお薦めはしない。
ニュ-カッスル
ロンドン・キングズクロス駅~エディンバラ~アバディーンという幹線(現在は「イースト・コーストEast Coast」社が列車を運行)上にある。キングズクロス駅からニューカッスルまでは、所要2時間50分~3時間10分(週末ダイヤではもう少し長くかかる)。
ご予約は www.eastcoast.co.ukで。
北部イングランド最大の都市。19世紀には造船業で栄え、最盛期には世界の船舶の4分の1がここで造られていたという。現在は商業・サービス業、観光産業などに軸足を移しつつ再生を図っている。見どころと概略図は本誌10ページに掲載。
カーライル
ロンドン・ユーストン駅~グラスゴーという幹線(現在は「ヴァージン・トレインズVirgin Trains」社が列車を運行)上にある。ユーストン駅からカーライルまでは、所要3時間20分~3時間50分(週末ダイヤではもう少し長くかかる)。
ご予約は www.virgintrains.co.ukで。ローマ人により城塞の町として誕生(カーライルは「丘の砦」を意味する)。1092年、ウィリアム2世が北方部族の侵入に備えるため、城塞都市として再建、今に至っている。
ポイント 3
イースター頃から10月末まで運行される、
ニューカッスル~カーライルを結ぶ「ルートAD122」バスを駆使。
ニューカッスル~カーライルは、距離にして約60マイル(約96キロ)だが、長壁見学の主要ポイントは片道1車線の田舎道沿いにあるケースも少なくない。このミニバスは、主なポイントすべてに停車しつつ、約3時間かけてニューカッスル~カーライル間を走る(ただし、ニューカッスル~カーライルを走破するには乗換えが必要)。残念ながら、運行本数は多いとはいえないため(3、4、10月はさらに本数が減るので注意)、どのポイントで下車し、どの程度見学時間を割くかなど、事前に綿密に計画を立てることをお忘れなく。なお、1日、好きなところで乗ったり下車したりできる「Rover Ticket」は、「ルートAD122」バス以外の路線バスにも有効。「ルートAD122」バスのニューカッスル~ヘクサム間は1日1往復しかない(!)だけに、路線バスを利用することも考えたほうが良さそうだ。
「ルートAD122」運行スケジュール
www.visithadrianswall.co.uk/hadrians-wall-country/ad122-hadrians-wall-country-bus/ad122-timetable
ニューカッスル ~ ヘクサム間運行スケジュール
www.arrivabus.co.uk/north-east/bus-timetables/685-X85/bus-times-in-newcastle
ポイント 4
ピンポイントで訪れるなら、ハウステッズ(Housesteads)が断然狙い目。
ハドリアヌスの長壁に沿って、イングリッシュ・ヘリテージ、ナショナル・トラスト、これら2団体共同、あるいは、独立した地元財団により、遺跡が管理・公開されている。「ハドリアンズ・ウォール・トラスト」(正確には、「ヘイドリアンズ」と発音)が発行する、無料の「Hadrian's Wall Country」と題された地図を見ると、主要なものだけで13ヵ所を数える。
ミュージアムやビジター・センターについては、場所ごとに様々な工夫がこらされているものの、正直言って、遺跡はどこも似ている。1ヵ所をじっくり見学+長壁に沿って軽くウォーキングにも挑戦してみたいというなら、ハウステッズがおすすめ。バスが発着する駐車場からチケット売り場経由で、約15分、かなり急な坂道をあがると、大規模な要塞跡がある。
この遺跡の西側へとのびる長壁に沿って10分ほど歩くと、本誌8ページにあるような構図の写真が撮影できる、絶好のスポットに到達。ただし、アップダウンがかなり激しい上、石段があるなど、ベビーカーでの移動には適さない。靴は、本格的なウォーキングブーツである必要はないものの、雨のあとはぬかるむので要注意。
遺跡見学に30分~1時間、ウォーキングに30分~1時間、遺跡までの往復に30分と、合計2~3時間はみておきたいところ。ここを中心に計画を立て、あとは、バスの時間があえば、他の遺跡を訪れてみるという心構えでいれば充実した長壁めぐりになるはずだ。


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