ロンドン一高い展望デッキ

 

さぁいよいよ! とワクワクしながらエレベーターのドアが開くのを待つ。入場からここまで一貫して外からの光を遮った薄暗い空間だったのが、ドアが開いた瞬間、目の前に広がるのは絵に描いたような真っ青な空と白い雲! 地上が悪天候でもシャードに上れば晴天! あれ、ちょっと待てよ、そんなわけはない。様子がおかしいぞ。と、前方をよ~く見てみると、青空に見えるのはガラスに描かれた空模様のデコレーション。本当に絵だった…。この階は展望ギャラリーへの移動階となっており、エレベーター・ホールの混雑を防ぐ目的に加え、来たるべき360度パノラマの迫力を次の階でより感じるさせるためのおちゃめな仕掛けのようだ。
 

 



セキュリティ・ゲート付近にあるロンドンをユニークに紹介する展示。じっくり見る価値あり。

 

気を取り直して69階へ上がると、ようやくそこに現れたのは、ロンドン大パノラマ! 全面ガラス・パネルの壁は視界を遮るものを極力なくしてあり、左右に上下にそして遥か遠く彼方まで、景色の広がりを感じることができる。
ボリス・ジョンソン市長曰く「晴れていれば、フランスだって見える!」とのことだが、直線距離にして100キロをゆうに超えるフランスを眺めることは現実的ではないにしても、それでも晴れの日には64キロ先の景色を楽しむことができるという。
北西にはウェンブリー・スタジアム、東にはオリンピック・スタジアムやカナリー・ワーフ、テムズ・バリア、そして西にはセント・ポール大聖堂、ビッグ・ベン、バッキンガム宮殿など名所という名所を一望することができる。
筆者がとくに気に入ったのがビッグベンだ。BTタワーのような高層建造物、近くにあるセント・ポール大聖堂などは比較的簡単に目に入ってくるが、そうでもなければ目印になる建物を見つけるのは難しい。念入りに凝視していると、ビッグ・ベンを発見。ち、ちっちゃい! まるでレゴでできたおもちゃに見えるほどにかわいらしく、近くで見たときの荘厳さとの違いに驚きを隠せなかった。また、ロンドン市内を蛇行するテムズ河のゆったりとした流れも見所のひとつだろう。
ギャラリー内は木製のフローリングが使用してあることで、無機質なガラスに囲まれていながらも、美術館にいるような落ち着ついた雰囲気が漂っている。あいにくのどんよりとしたグレーの空であっても、窓ガラス越しに広がる景観を見つめていると、大きなキャンバスに描かれた風景画を鑑賞しているようにも感じられた。
ギャラリーはここでは終わらない。上の72階にあたる最上階にはオープンエアの展望デッキが用意されている。その高さ、244メートル。空を突き刺すような外壁ガラスの一面がここで尽きており、シャードを形作る側面が、頂上でも交わらないことがよくわかるはずだ。

 

 



写真左の奥の方にウェンブリー・スタジアム、BTタワーが見えるのがわかるだろうか。
手前右はセントポール大聖堂。

 



最上階にあるオープンエアの展望デッキ。ロンドンの景色に加え、
空に向かってさらに高く伸びているシャードの頂きを眺めることができる。