
■ 第236話 ■WW I―米参戦、本当の理由
▶しつこいけどウィルソン米大統領の悪口をもう1回書く。第一次世界大戦は1914年7月に始まり、18年11月に終わった。戦争不介入を決めていたウィルソンは仲介の道を探っていた。しかし結局17年4月6日、ドイツに宣戦布告する。一体何があった? 歴史書や世界史の教科書は主に2つの理由を挙げている。1つ目はドイツが無制限潜水艦攻撃を再開したから。ドイツは15年5月に英船ルシタニア号を撃沈。1,198名の犠牲者の中に128名のアメリカ人が含まれていた。アメリカで反ドイツ感情が高まると「ヤベエ」と思ったドイツはアメリカに謝罪。一旦は沈静化したがその後ドイツは無制限攻撃を再開した。
▶2つ目は17年1月のツィンメルマン電報事件。これはドイツの外務大臣ツィンメルマンがメキシコ政府に送った極秘電報のこと。「アメリカが参戦するならドイツはメキシコと同盟を結ぶ。メキシコによるアメリカへの先制攻撃はドイツが支援する。勝利の暁には米墨戦争でアメリカに奪われたテキサス、ニューメキシコ、アリゾナの3州をメキシコに返す」という内容だった。電報は英政府によって傍受・解読されていた。ドイツの思惑を知ったウィルソンは参戦を決めたと言われている。でもこんな希薄な理由で参戦する? イギリスはアメリカを戦争に引き摺り込もうと必死だった。戦局は西部戦線で膠着状態となり両陣営ともヘトヘト。17年にロシアでは2月革命が起こりロマノフ朝崩壊。アメリカの参戦後、10月にも革命第2弾が起こりロシアは第一次世界大戦から離脱。翌18年11月にはドイツでも大衆蜂起が起こり、皇帝ヴィルヘルム2世が廃位・追放され、帝政ドイツ崩壊。こうして第一次世界大戦は終結した。

▶ユダヤ勢力のマリオネットおじさんと化したウィルソン大統領の側近にはアメリカを参戦させたい連中が何人もいた。バーナード・バルークもその一人。米軍需産業界を牛耳り、戦争を公共事業と考える危険な大物ユダヤ人。しかし直接ウィルソンに参戦を促し、圧力をかけたのは最高裁判所最高判事のブランダイスだった。ウィルソンは不倫をネタに「ある勢力」から脅されていた。ブランダイスはウィルソンを脅して指名させたユダヤ人弁護士。ブランダイスはなぜ参戦を促したのか。その根拠になっているのが有名な「バルフォア宣言」だ。これは17年11月に英外務相アーサー・バルフォアがウォルター・ロスチャイルド男爵に宛てた書簡の中で、アメリカ参戦と引き換えにパレスチナでのユダヤ人国家樹立の支持を約束したもの。イギリスはロスチャイルドらユダヤ資本の支援なしに戦争継続は不可能。英政府は戦争勝利のため、ユダヤ系金融資本家たちの前に屈したということだ。
▶ブランダイスはパレスチナにユダヤ人国家を再建しようとするシオニズム運動の中心人物。米政府は第一次世界大戦への参戦を決めた。表向きの理由はドイツの無制限潜水艦攻撃とツィンメルマン電報事件。ウィルソンは裏に隠された「イスラエル再建」という真の目的を知らず「これは民主主義と平和擁護の戦いだ」とご陽気にこぶしを振り上げた。第一次世界大戦は終わったがヨーロッパは戦勝国、敗戦国いずれも多大な犠牲を出し、財政崩壊。それを尻目に犠牲者最小限で本土も保全されたアメリカがスーパーパワーへの坂道を全速力で駆け上がって行ったぜってな辺りで次号に続く。チャンネルはそのままだ。
参考:馬渕睦夫著「ディープステート:世界を操るのは誰か」他。
週刊ジャーニー No.1358(2024年9月5日)掲載
他のグダグダ雑記帳を読む