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■ 第137話 ■若者たちが挑んだ怪物ランド

▶ここんところ幕末、勝海舟や福澤諭吉らが欧米を訪問した使節団のことをグダグダ語っている。2世紀以上の眠りから目覚めた日本。鎖国を始めた頃の日本は欧米も植民地化を諦めるほどの軍事大国だった。ところが日本が鎖国している間に欧米はサナギが蛾になったくらいの大変化を遂げていた。なんせ欧米はその間ずぅ~っと戦争していた。キリスト教が枝分かれして古いのと新しいのがドンパチやったり、絶対王政おかしくね? と言って国民に王様が首チョンパされたり、新大陸発見とか言って先住民ぶっ殺して土地を奪い合ったり。ずっと戦争してりゃ武器も進化する。産業革命もあって大量殺戮兵器が次々と開発された。戦争には莫大な金がいるので銀行も増えた。そんな最中にロスチャイルド家が各国で中央銀行を手に入れ、通貨発行権をゲットした。食うか食われるか、弱肉強食の時代を経て立派な毒蛾となった欧米。ペリーが浦賀にやって来た頃、日本と欧米の文明ギャップは月と鼈ほど開いていた。スッポンって漢字、書けないぞ。書く機会ないからいいか。

▶幕末、欧米に渡った日本人が驚異的な文明の発達ぶりに愕然とする様子や、下心満載の悪い大人たちに軽く手玉に取られる姿は見ていてツライ。そんな中、さらなる赤子たちがヨーロッパへと向かう。一回目の遣欧使節団が帰国して1年半が過ぎた1863年10月14日、横浜の井戸ヶ谷(いどがや)でフランス人士官ら3人が攘夷派の浪士らに襲われアンリ・カミュという21歳の少尉が惨殺される事件があった。他の2名は無傷で逃走した。犯人は今もって不明。フランス公使は幕府に「ユーたち、フランスに謝りに行っちゃいなよ」と勧めた。

地獄を見る前の楽しいひと時ですが、何か?

▶外国嫌いの孝明天皇が攘夷勅令を発したことで全国に攘夷の嵐が吹き荒れ始めた。幕府は危険な横浜港を一旦閉鎖しようと各国代表に打診したが軽く一蹴された。ちょうどいい機会だからフランスに特使を派遣して横浜港閉鎖の交渉と今回の井戸ヶ谷事件を決着させようということになり外国奉行池田長発(ながおき)を中心に第二回遣欧使節をヨーロッパに派遣することにした。1864年2月6日、34名からなる使節団はフランス軍艦に乗って日本を出発。上海やインドを経由し、スエズから陸路でカイロに向かった。カイロからは船でマルセイユ。そこからパリに向かう。

▶往路、エジプトでピラミッドとスフィンクスを見物した(写真)。サムライたちの中、3人ほどがスフィンクスの首あたりまで登っているのが見える。必ずいる。こういう目立ちたがり。修学旅行の無邪気な中学生とそう変わらない。そうなの。この時、一行を率いた池田長発、わずか27歳。フランスのナポレオン3世やプロシアのビスマルク、イギリスのヴィクトリア女王、そして国家はないけど他のどの国よりも金持ってるロスチャイルド家など、魑魅魍魎(ちみもうりょう)のヤベエ連中が大口パックリ開けて待つヨーロッパはまさに怪物ランド。一駒進むのも難しそうな大冒険スゴロク。相当優秀だったことは間違いないんだろうけど、何でこんな恐ろしい怪物たちとの闘いに経験乏しい若者たちを送り込んだのか。そして我々が懸念する通りのことが起こっちゃうってところで次号に続く。チャンネルはそのままだぜ。

週刊ジャーニー No.1257(2022年9月15日)掲載

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