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■ 第110話 ■英国貴族になったロスチャイルド

▶庶民院(下院)議員となった2代目当主ライオネル・ロスチャイルド。翌年には弟メイヤーも議会入りした。ユダヤ人資本家が国政に進出し始めたことで人々は「イギリス政府の汚染と堕落が始まった」と囁き合った。次に目指すは何かとユダヤ人に厳しい貴族院(上院)入りだ。しかし貴族院に入るには貴族の称号をもらわなくちゃいけない。巨万の富があってもユダヤ人銀行家が貴族になるのは簡単なことではない。この頃、貴族の間にもユダヤ人資本家が密かに入り込み始めていた。ロスチャイルド家には「同族内結婚により財産の分散を防げ」という家訓があり、かなり忠実に守られた。そのため男子はいとこ同士や姪っ子と結婚する者が多かった。ところが女子に関してはさほど厳しくなく、裕福なユダヤ人資本家の娘がイギリス貴族に嫁ぐケースが増えた。産業革命によって没落が始まっていた貴族の中には持参金目当てでユダヤ人資本家の娘を妻として迎えることも多かった。こうしてイギリス貴族とユダヤ人の混血化が進んでいく。

▶大金持ちで優しいライオネルおじ様にすっかり取り込まれていたヴィクトリア女王にはアルバート(バーティ)という息子がいた。ヴィクトリアが崩御すると即位し、エドワード7世となる長男だ。即位した時既に59歳。68歳で亡くなるまで在位は9年と短いがその間、フランスやロシアと協商を結び、日英同盟を締結するなどしたため「ピースメーカー」と呼ばれ案外評価は高い。ところが皇太子時代のバーティは「ろくでなし」で「できそこない」の「クソ野郎」だった。筆者じゃない。ヴィクトリアお母様が言っているのだ。「クソ野郎」は筆者が便乗して付け足した。怒られるかな。ビクビク。バーティはオックスフォード大に進み、王室初の大学生となった。しかし数年で辞め、今度はケンブリッジのトリニティカレッジに入学した。そこで超裕福な学生と出会い親友となった。大金持ちの御学友と遊ぶため借金を重ねた。20歳の時に初めて女性を知り、のめり込んだ。バーティは結婚した後も愛人を多く抱えた。分かっているだけでも50人以上の歌手、女優、貴族の人妻などと浮名を流した。これに娼婦を加えると愛人は軽く100人を超えると言われる。うらやま…、ひどい皇太子だ。アンドリュー王子なんか可愛いもんだ。

バーティ
二十歳頃のバーティですが、何か?

▶あまりの不良ぶりにヴィクトリアは皇太子バーティを公務から外した。バーティの放蕩ぶりが加速。女性絡みのスキャンダルが拡散した。お父さんのアルバート公が重病を押してケンブリッジに行き、バーティの説得にあたった。アルバート公はこの時の無理がたたり数週間後に急死した。享年42。ヴィクトリアは死ぬまでこの「できそこない」を恨んだ。バーティは御学友から多額の借金を重ねていた。ヴィクトリアはあまりに巨額な借金に驚愕した。バーティを借金漬けにした親友の名はナサニエル・ロスチャイルド。ライオネルの長男で後のロスチャイルド家3代目当主だ。ロスチャイルド家は巧みに次期国王に接近し、いとも簡単に篭絡した。このナサニエルが1885年、エジプト占領の資金を引き受けた。ヴィクトリアは恩賞としてナサニエルに男爵の称号を授けた。ロスチャイルド家は遂に貴族となり貴族院入りを果たした。その後もユダヤ人資本家に爵位の安売りが続き、貴族院にユダヤ人が増えていく。ロスチャイルド家と英王室の危うい関係性が鮮明になったところで次号に続く。チャンネルはそのままだぜ。

週刊ジャーニー No.1230(2022年3月10日)掲載

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