ぶらりんぐロンドン

ジャーニー編集部がロンドンの街をぶらりとレポート

日本人建築家による特別展「家の記憶」、ロンドンで開催中

現在、ロンドンで行われているエキシビション「Japanese Junction in London」。英国で活躍する日本人建築家が「家の記憶(Memory of Home)」をテーマに、図面やドローイング、模型などを通して建築アイディアを提案します。


会場はファリンドン駅から徒歩7分の場所にある「TOTOギャラリー」。水まわり住宅総合機器メーカー「TOTO」が構えるショールームの地下スペースを利用して、開催中です。このウォシュレットのイラストが目印!

英国で暮らす人にとって、日本での生活を懐かしく思い出したり、英国の暮らしと比べたりすることって、よくありますよね? それを7人の建築家が丁寧に掘り下げ、アイディアを膨らませたのが今回の展示のメインです。

参加メンバーのひとりでロンドンの建築事務所「Stanton Williams」で活躍する金道晃氏は、日本の実家で使われていなかった屋根裏空間を思い起こし、ロンドンの各地に点在する使われていない屋上スペースを利用して屋根裏部屋を設けるアイディアを提案(上の写真がこれにあたりますが、写真では伝わりづらいのでぜひ足を運んでみていただきたい!)。日本家屋独特の縁側がデザインされ、田舎の家で育った私にとっても懐かしさがこみ上げ、こんなスペースがあったらいいなーと共感できました。

一方、建築事務所「Zaha Hadid Architects」の井関武彦氏の作品では、階毎に貸しフラットとして分断されることの多いロンドンのヴィクトリア朝様式の住宅で、それぞれをつなぐ実験的な試みを提案。建物の奥を増築して、螺旋階段で全階を連結。共有空間を設け、そこにはワークスペースも設置するなど空間に機能をプラスしています。さらに、賃貸契約が999年におよぶこともあるとされる英国の不動産事情を念頭に、その999年、一体誰が管理するのか? という問いと、その答えとして「ロボット」が挙げられている点も興味深い! 可能性が広がりますね。

日本と英国の両方で暮らした経験を持つ建築家らが思考を広げていくというスタート地点は同じですが、たどり着いた先はまったく異なります。ドローイングや模型をひとつひとつじっくり見ながら、自分の記憶と比較したり、想像を膨らませてみるとより楽しめます。

展示は「家の記憶」をテーマとした各建築家の提案が中心ですが、それぞれの展示内容に合わせ、備前焼作家・石田和也氏の作品と花が生けられ、本来「家」の持つ温かみが添えられているのも見所。また会場内の一角では、参加者が過去に携わってきたプロジェクトが紹介されています。金道氏いわく、「今回、提案される作品の背景として、各建築家がどんなプロジェクトに取り組み、現在に至っているのかという視点でも楽しんでもらいたい」とのこと。6月16日には、ゲストレクチャラーに建築家の早津毅氏を迎えたトークイベントが開催されます。時間は午後6時30分~午後9時。こちらもお見逃しなく。(編集部C)

Japanese Junction in London
TOTO Gallery, 140 - 142 St. John Street, London EC1V 4UA
入場無料/2017年6月1日~30日/月~金:午前9時~午後5時(土、日休み)