何ゆえ、日本とヨーロッパでは電圧が大きく違いますの?
愛するお父様へ
前文お許しくださいませ。
お父様、お変わりありませんでしょうか? また新たに知り得たことがありまして、今日はそれをご報告したいと思います。
日本と英国ではコンセントの形状や電圧が違うため、日本の電化製品を英国で使用するには、通常、コンセントの形を変える「変換プラグ」と電圧を下げる「変圧器」が必要です。ところが、最近は高電圧にも対応した商品が増え、変換プラグを用意するだけでほとんどの製品が海外でもそのまま使えますので、とても便利になりました(わたくしも日本から愛用の電化製品をたくさん持参しております)。
ですが先日、その大切な変換プラグを破損してしまい、ヘアドライヤーもパソコンも使うことができず、大変不便な思いをいたしました(きちんと髪を乾かせなかったので、なんだか髪が痛んでしまったように感じます…)。そもそも、なぜ英国をはじめとするヨーロッパでは、電圧は220~240ボルトであるのに対し、日本では100ボルトしかないのでしょう?
いつもの好奇心が頭をもたげてまいりましたので、問い合わせてみることにいたしました。
東京電力に電話をかけましたところ、カスタマーサービス担当の男性が、物理系のことにはあまり強くないわたくしにもわかりやすいように、丁寧にご説明くださいました。
その男性のお言葉をお借りしますと、電気の実用化が始まった当初は、ヨーロッパでも電圧は120ボルト前後でしたが、戦前から220~240ボルトが主流になったそうです(米国はいまも120ボルトです)。
240ボルトは、食器洗い機、電気調理器、乾燥機など短時間に多くのパワーを必要とする電気機器に好都合とのこと。つまり、100ボルトの2倍以上の仕事量が可能となるのだそうです。そういえば、こちらの電気ポットはすぐにお湯が沸くので、やかんや保温ポットなどがあまり普及していません。
一方、100ボルトはプラグが小さくてすっきりしていることからもわかるように、安全性の面で優れているようです(確かに、英国の3本足プラグは大きくて邪魔になります)。万が一に感電しても、海外に比べて命にかかわる危険性が圧倒的に少ないとか。
ただ総合的にみると、効率がよく、大型電気機器が使いやすいというメリットは大きいので、日本でも「200ボルトに切り換えよう」という動きは過去にあったそうです。でも、100ボルト用の製品がこれほど普及してしまうと、100ボルトを完全に撤廃するのは容易ではありません。そのため、家庭用の電気供給を200ボルトでも使えるようにし、200ボルト用の電化製品の普及を図るにとどまっているとのことでした。100~240ボルト対応可能の製品が増えているのは、こうした背景があったようです。
既存のシステムを変更するには、時間と費用の面で大変な労力が必要とされると思いますが、日本の電圧も200ボルトになる日がくるかもしれませんね。それでは今日はこのへんで。お母様にもよろしくお伝えくださいませませ。
かしこ
平成27年6月30日 るり子



















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