2012年12月6日 No.757

●サバイバー●取材・執筆/ミヨコ・スティーブンソン、本誌編集部

 

7ポンド以下限定!
スーパーで買える美味しいワイン

 

 

Miyoko Stevenson

WSETディプロマ取得。Circle of Wine Writers会員。Chevalier du Tastevin(利き酒騎士)団員。Jurade de St-Emilion団員。International Wine Challenge審査員。Slow Food審査員。ワイン関連の訳書・著書あり。現在、ロンドンでワイン教室を主宰。
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年末年始を真近に控え、ワインを飲む機会の多い季節となった。招待された時は、ありがたく出されたものを頂けば良いとして、さて、客人を招く際にはどうするか。迷った時のために、ここでワインを選ぶときの基本を簡単にお話しておこう。もちろん、これらはあくまでも一般的な原則であって、各人の好みにもよる。

■料理の種類に基準を置く
郷土料理にはその地方のワイン、高級食材の料理にはその額に見合ったワイン、軽い料理には軽いワイン、重い料理には重いワイン、魚料理には白ワイン、肉料理には赤ワイン、デザートにはその甘さよりも甘いデザート・ワイン―というのがおおまかな原則。しかし、例えば「軽い料理」とはどんな料理か、という判断ひとつとっても個人差がある。あまり神経質になると、人を招待しての食事そのものが楽しくなくなってしまう。こうなると本末転倒だ。魚料理には白ワイン、肉料理には赤ワイン―程度の基準を守っていればOKと、リラックスして望みたい。

■使われているブドウの種類から判断する
ワイン・ラベルにブドウ品種名が書かれているケースが増えている。特に、アメリカ合衆国、オーストラリア、ニュージーランド、チリ、アルゼンチンといった「ニューワールド」のワイン・ラベルにはほとんど明記されている。ブドウ品種名からワインを選べるようになるにはまず、自分の好みのブドウ品種を知ること、そしていろいろなブドウ品種の特徴を知ることが大切。飲んでみて気に入ったワインのブドウ品種を覚えるようにすると、以降のワイン選びに役立つ。知っていると便利な品種名は左の通り。
ヨーロッパのワインについては、ラベルにブドウ品種名ではなく産地名が明記されるものがまだ多いので、産地名を覚える必要があり、話が難しくなる。しかし、最近では、フランス産、イタリア産、スペイン産でもブドウ品種名が明記されるワインがかなり増えたので、選ぶ際の助けになっている。一般的に、単一品種でつくられたワインよりも、幾つかの品種をブレンドしたものの方が飲みやすいことも覚えておくといいだろう。
なお、スーパー・マーケットで売られる、高価な「Fine Wine」の中には、長期熟成型で飲み頃を迎えていないワインが少なくないので、ヴィンテージ(収獲年)を確認して飲むこと。高価だからおいしいはずと思いがちだが、そういったワインには長期間寝かせることによって醍醐味が味わえるものが多いかわりに、若すぎるうちに飲むと、渋みや酸味がきつく飲みづらいものがあるので注意が必要だ。それに対し、中程度(15ポンド未満)の価格の商品は、飲み頃を迎えているものが多く、美味しく飲める確率が高い。 
ところで、ワインを購入する際に、身分証明書の提示を求められて驚いた方もおられると思う。英国では18才未満の未成年にアルコールを売った場合、売った店員に最高1万ポンドの罰金が課せられ、店舗閉鎖を言い渡されることさえあるため、売り手が慎重になるのも無理のないこと。日本人は若く見られがちなので、ワインを購入する際にはパスポートや写真つき運転免許を持参したほうが安心できる。
世界のワインが集まる英国。手頃な価格で、驚くほど美味しいワインが手に入ることも珍しくない。ご友人、職場のご同僚、あるいはご家族で、存分に楽しんでいただきたい。

 

赤ワイン用品種
●カベルネ・ソーヴィニヨン … 優れた赤ワイン用ブドウ品種として世界で最もよく知られている品種。カシス香味、酸味、タンニンが強く、オークとの相性がよく、長期熟成する。メルロ種とブレンドすることが多い。
●ピノ・ノワール … ロマネ・コンティやシャンベルタンといった世界に冠たる超高価なワインを造り出している黒ブドウ品種。数々のクローンがあり、国や地域によってかなり異なった特徴のワインができる。通常、色が薄く、赤いベリー類の香味を呈し、酸味が高い。熟成と共に湿った森や堆肥の臭いを伴うようになる。
●シラーズ(シラー)果皮が厚いため色の濃い、タンニンが強い(暖かい気候下では中程度)ワインを造る。黒いベリー類の香味やスパイス風味、杉、タバコの木箱、そして時にはチョコレートの香味を呈す。オークと好相性で、良く熟成する。
●ガルナッチャ(フランスではグルナッシュ)スペインのアラゴン州原産。赤い果実香味を呈し、スパイシーで、酸味並びにタンニンがそれほど強くない。南仏やスペインではロゼワインを多く造る。

 

白ワイン用品種
●シャルドネ … 涼しい地域では柑橘類の香りを伴う緑色の果実(リンゴなど)風味を呈し、ニューワールドの高温の地域では、トロピカル・フルーツ(モモ、パイナップル、マンゴなど)の風味を強く呈す。オークを使って熟成されると、ナッツ、トーストやバニラ、ココナツの風味を伴う。非発泡性(代表格はシャブリ)、並びにシャンパーニュをはじめとする発泡性ワインに用いられる。
●ソーヴィニヨン・ブラン … シャルドネと並ぶ有名白ブドウ貴品種。きりっと締まった高い酸味が持ち味の非常にさわやかなワインを造り、スグリ、ニワトコの花、刈ったばかりの芝生、アスパラガス、イラクサなどの独特のアロマをもつ。
●リースリング … ドイツで最も重要な白ワイン用品種。辛口から極甘口のワインまで造ることができる。冷涼な地域では青いリンゴ、ブドウ、花、レモンやライムといった風味、そして高温地域ではモモやアプリコット、パイナップルの風味を呈す。酸味が高く、非常にさわやかなワインを造る。
●ピノ・グリージョ(ピノ・グリ)… 中程度の酸味で、香味は特に強くなく、非常に飲みやすいワインを造る。アルザス産のものは熟成するとナッツやハチミツのブーケを呈すようになる。アルコール度数が高めであるのも特徴。イタリアではピノ・グリージョ、フランスではピノ・グリと呼ばれる。