ワインにまつわる今月のトピック㉚ 番外編 イースターの食事にあわせて飲みたい1本

春の訪れとともにやってくるイースター

今年のイースターは4月17日。キリスト教の宗教行事を全国民に押し付けないようにという配慮が進んでいる英国においても、この時期、町には色付けした卵や、卵型やウサギ型のチョコレート等が出回り、にわかに人出も多くなって華やいでくる。

そもそもイースターとは、イエス・キリストが処刑された3日後に復活したことを祝うお祭りで、日本語では「復活祭」と呼ばれていることはご承知の通りだろう。卵やウサギは、新しい誕生のシンボルというわけだ。

ヨーロッパでイースターの食卓にのぼる代表的な料理には、スプリング・ラムと呼ばれる2月に生まれた子羊の肉、ロースト・チキン、そして蜂蜜を塗ってローストしたハムhoney baked ham(honey glazed ham)=右写真=などが挙げられる。野菜はさやいんげん(snap beans、 green beans、string beansなど)や、そら豆にニュー・ポテト。スターターやサイド・ディッシュにはゆで卵が添えられることが多い。

イタリア風の前菜に合わせたいワイン

イタリア風に、サラミやオリーブにゆで卵を添えたアンティパスト(前菜)には、イタリアのシャンパーニュと呼ばれているフランチャコルタ・ブリュットFranciacorta Brutをお勧めしたい。プロセッコと違って、シャンパーニュと同じ製法で造られ、ナッツやトーストの香りを呈す複雑な風味のエレガントさを備えた辛口スパークリング・ワインで、アンティパストの美味しさをさらに引き立ててくれる。


スプリング・ラムを引き立たせるワイン

英国とフランスのイースターの代表的な料理といえばスプリング・ラムだが、これに合わせたいワインとして、米国で1965年からスパークリング・ワインのみを造っている老舗シュラムスバーグのロゼSchramsberg Brut RoséSimply Wine Direct、またはVivinoにて購入可。44.99ポンド)をご紹介しておきたい。カリフォルニア州ナパ・ヴァレーに渡ってきたドイツ人のジェイコブ・シュラム氏Jacob Schramが始め、その後、1965年からシュラムスバーグSchramsbergの名で世界市場に出荷されている。今から35年ほど前は英国でも非常に人気が高く、入手が困難だった1本だ=左写真。イチゴとラズベリーにスイカとザクロの香りを呈し、ブリオッシュの風味を備え、後味には完熟したマンゴやオレンジの風味を漂よわせ、ほのかに甘いスプリング・ラムにはもってこいの辛口スパークリング・ワインといえる。

ロースト・チキンと好相性のワイン

焼きたてのロースト・チキンには、辛口のロゼ・ワインや軽めの赤ワインを勧めたい。辛口のロゼ・ワインといえば、南仏のプロヴァンス。そこで造られるロゼはみな辛口でボディーもしっかりしているので、銘柄にとらわれなくてよい。赤ワインなら、ボージョレー・ヴィラージュBeaujolais Villagesや、リオハ・クリアンサRioja Crianzaといった軽めの赤を選ぼう。では、楽しいイースターを!

週刊ジャーニー No.1235(2022年4月14日)掲載

ミヨコ・スティーブンソン Miyoko Stevenson

WSETディプロマ取得。Circle of Wine Writers会員。Chevalier du Tastevin(利き酒騎士)団員。Jurade de St-Emilion団員。Ordre des Coteaux de Champagne団員。国際日本酒利き酒師。The Guild of Freemen of the City of London会員。ワイン関連の訳書・著書あり。現在、ロンドンでワイン教室を主宰。
www.miyokostevenson.co.uk
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