ご当地ワインと郷土料理&名産物㉙ 番外編:秋のワイン

秋にじっくり味わいたいワイン

食欲の秋、到来。そこで、今回はオーストラリアのテーマから一時的に外れ、赤ワインの選び方と、この秋に楽しみたい赤ワインについてご紹介しよう。まず選び方だが、各ブドウ品種には特徴があるので、ブドウ品種から考えていくと選びやすい。
※ここでは、10~20ポンドの若いワインを対象にする。また、相性は料理の仕方や個人の好みによっても異なるので、この点はご了承いただきたい。

◆ピノ・ノワール Pinot Noir
この品種は色が比較的薄く、渋みを感じさせるタンニンが少なめで、酸味が高く、イチゴやラズベリー、レッド・チェリーといった赤いベリー類の風味を持ち、鴨や牛ヒレ、または、仔牛のレバー・ステーキにも合う。
◆カベルネ・ソーヴィニョン Cabernet Sauvignon
色が濃く、渋みが多く、酸味も高めで、黒スグリやブラック・チェリーの黒い果実香味を持ち、牛のリブ・アイやサーロイン・ステーキに合う。
◆メルローMerlot
色は中ぐらいで、タンニンも酸味も中ぐらい。レッドプラムやレッドチェリーの風味を持ち、ローストしたラムのモモ肉に合う。
◆シラーSyrah (Shiraz)
色が濃く、タンニンも多いが酸味は中ぐらいで、ブラックベリーや黒コショウ(オーストラリアのシラーズの場合には、チョコレート風味も)をもち、鹿のローストなどによく合う。

一般的に、オールド・ワールド(主にヨーロッパ)のワインの方が辛口で、ニューワールド(カリフォルニア、チリ、アルゼンチン、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカなど)の方が、アルコールが高めで、ボディがあり、多少甘味が強い。ヴィンテージ(収穫年)やワインのタイプにもよるが、30ポンド以上のものは、寝かしておくと新鮮な果実香味がなくなり、森の下草、キノコ、タバコ、農家の裏庭といった深くて複雑な味わいが備わってくる。

今秋のお買い得のボトル

さて、この秋、ぜひ味わっていただきたい、アッと驚くほどおいしいお買い得のワインを紹介しよう。ピノ・ノワールなら、南アでも今話題の上質ワイン産地、ヘメル=アン=アードHemel-en-AardeのDomaine Des Dieux Josephine Pinot Noir(Stone, Vine & Sunで17.95ポンド)=写真右、カベルネ・ソーヴィニョン(メルローとのブレンド)なら、ウェスト・オーストラリアの涼しいマーガレット・リヴァー産Margaret RiverのLarry Cherubino Folklore Cabernet/Merlot 2018(Majestic Wineで14.99ポンド)=写真中央、メルローなら、絶対お買い得のフランス・ボルドー産Château Méaume 2016(Majestic Wineで12.99ポンド)=写真左、シラーなら、カリフォルニア州サンタ・バーバラ産Santa BarbaraのKunin Syrah 2016(Robert Wineで24.65ポンド)をお薦めしたい。

カベルネ・ソーヴィニョン以外で 購入したい1本

さて、以前使われていたワインの用語に「ABC」というものがあると書いたことがあるが、覚えておられるだろうか。赤ワインで言うならば「Anything But Cabernet Sauvignon」、つまり、流行のカベルネ・ソーヴィニョン以外のワインを飲もう…というわけだ。そこで前述した以外で、有名ブドウ品種というわけではないが大変おいしいワインとして、カリフォルニア州サンタ・バーバラ産のBirichino, Besson Vineyard Grenache, Old Vines 2018(Berry Brothersで23.96ポンド)=写真右=を記しておこう。このワインは、樹齢100年以上のグルナッシュ種から造られており、この秋にじっくり飲みたいワインの筆頭に挙げられるだろう。

週刊ジャーニー No.1158(2020年10月8日)掲載

ミヨコ・スティーブンソン Miyoko Stevenson

WSETディプロマ取得。Circle of Wine Writers会員。Chevalier du Tastevin(利き酒騎士)団員。Jurade de St-Emilion団員。Ordre des Coteaux de Champagne団員。国際日本酒利き酒師。The Guild of Freemen of the City of London会員。ワイン関連の訳書・著書あり。現在、ロンドンでワイン教室を主宰。
www.miyokostevenson.co.uk
e-mail:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。