ご当地ワインと郷土料理&名産物㉘ 番外編:ロゼ・ワイン その2

ロゼ・ワインは、赤ワインを薄めて造る?それとも、白ワインに赤い果汁を加える?

前回に続き、ロゼ・ワインについてお届けしたい。少し基本にたち返り、ロゼ・ワインの造り方を説明しよう。そのためには、はじめに赤ワインと白ワインの造り方の違いを説明しておく必要がある。ごく簡単にいうと、赤ワインは黒ブドウを収穫した後、ブドウ果皮(および種)と果汁を一緒にしてアルコール発酵を行う。ワインに果皮の色がでるのはこのため。一方、白ワインは、収穫したブドウを圧搾機にかけ、果汁だけを使って発酵させる。従って、白ワインには果皮の色がつかない。
さて、ロゼ・ワインだが、造り方には次の4つの方法がある。
(1)収穫した黒ブドウ(例外があるので後述する)を破砕し(粒を砕くことによって色が出る)、白ワインを造るときのように圧搾機にかけて果汁のみで発酵させる。こうして造られたワインは、最もデリケートな淡い色のロゼ・ワインとなる。
(2)収穫した黒ブドウを破砕し、望む色がでるまでしばらくそのまま置く。色が出たら圧搾して、色のついた果汁のみを発酵させる。
(3)赤ワインを造る時と同様に、収穫した黒ブドウを破砕し、果汁と果皮を一緒に発酵させる。発酵が始まったら、望む色の濃さによって、6~48時間後に果皮を抜き取って、果汁だけを引き続き発酵させる。通常、果汁と果皮を接触させる時間が長くなるほど、ピンク色が濃くなる。
(4)白ワインに少量の赤ワインを加えて造る。しかし、この方法はシャンパーニュを除いて、EU内では許されておらず、ニューワールドで安価なロゼを生産する時にのみ用いられる。
以上のように、EU産のロゼ・ワインは原則としてすべて黒ブドウから造られている。今号では、異なった黒ブドウ品種から造られるイチオシのロゼ・ワインをご紹介する。

●Miguel Torres Las Mulas Cabernet Sauvignon Organic Rosé 2018

チリ産/ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニョンCabernet Sauvignon/アルコール度:13%/小売り価格例:ウェイトローズにて9.39ポンド(8月13日までなら25%引きで6.69ポンド)。
美しいルビー色をした、サクランボと赤いベリー類の香りが高い辛口ワイン。

●Rustenberg Petit Verdot Rosé 2018

南ア産/ブドウ品種:プティ・ヴェルドPetit Verdot/アルコール度:13.5%/小売り価格例:ウェイトローズにて8.99ポンド。
濃いルビー色で、凝縮されたイチゴとサクランボの香りにスパイス風味が加わった半辛口のワイン。甘味のあるワインを好む人に薦めたい。

●Tesco Finest Sancerre Rosé 2017

仏ロワール川流域、サンセール地区産/ブドウ品種:ピノ・ノワールPinot Noir/アルコール度:12.5%/小売り価格例:テスコにて12ポンド。
淡いサーモン・ピンク色で、エレガントなミラベル、チェリー、グレープ・フルーツの香味とさわやかな酸味を備えた、キレのよい辛口ワイン。

● Côteaux Varois en Provence 2017

仏プロヴァンス産/ブドウ品種:グルナッシュGrenache、サンソーCinsault、シラーSyrah、ロールRolle、ムールヴェードゥルMourvèdre、カリニャンCarignan/アルコール度:12.5%/小売り価格例:マークス&スペンサーで9ポンド。
淡いサーモン・ピンク色で、赤いベリー類とイチゴの風味に花の香りが備わったフレッシュな辛口ワイン。

●Bella Modella Pinot Grigio Rosé

イタリア産/ブドウ品種:ピノ・グリッジョPinot Grigio/アルコール度:12%/小売り価格例:セルフリッジズにて9.99ポンド=写真。
淡いベビー・ピンク色をした、ストロベリーとラズベリー、そしてサクランボのクリーミーな香りを呈すフレッシュでデリケートなスタイルの辛口ワイン。

ロゼ・ワインは、白ワイン同様、必ず冷やして飲むこと(適温は約10℃)。バーベキューを楽しむ機会も多いと思われるこの8月、ロゼを数本揃えて飲み比べてみてはどうだろう。会話が弾み、雰囲気が盛り上がること間違いなし!では、夏の残りの日々に乾杯!!

週刊ジャーニー No.1098(2019年8月8日)掲載

ミヨコ・スティーブンソン Miyoko Stevenson

WSETディプロマ取得。Circle of Wine Writers会員。Chevalier du Tastevin(利き酒騎士)団員。Jurade de St-Emilion団員。Ordre des Coteaux de Champagne団員。国際日本酒利き酒師。The Guild of Freemen of the City of London会員。ワイン関連の訳書・著書あり。現在、ロンドンでワイン教室を主宰。
www.miyokostevenson.co.uk
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