▲築120年を超える老舗パブが入る建物。大戦中の空襲にもよく耐えた。

全体主義国家によって統治された暗黒の近未来世界を描いたSF小説「1984」。書いたのはジョージ・オーウェル。陰鬱で救いのない世界を描き上げた翌年に死去したオーウェルが生前、足しげく通ったのがこのドッグ・アンド・ダック。古くは画家のコンスタブルやロセッティなどもグラスを傾けた。現在の形に再建されたのは1897年のこと。当時の面影を残そうと努力しているのか資金不足か外も中も古臭い。しかしそれがまた老舗パブっぽくて妙にしっくり。グランドフロアは狭い。夏場は店の外に人が溢れる大変な人気店なのでビールを買うのにも一苦労。今回訪れたのはファーストフロアにあるダイニング「ジョージ・オーウェル・ルーム」。こちらも狭いが確実にテーブルをゲットでき、静かな飲食が可能だ。ニコルソンズ運営のパブなのでパイ類を始め、そこそこのパブ飯にありつける。この日はテンション高めの明るい年配女性が仕切ってくれたため暗い室内が2割ほど明るく感じられた。なんかとても居心地の良いパブ。1984、または1Q84ファンの方、ぜひ一度、お試しあれ。(たべ太蔵)

左=ファーストフロアのジョージ・オーウェル・ルーム。共産主義に絶望した文豪は暗くて狭い空間が好みだったのだろうか。階下の喧騒が嘘のように静かな時が流れる。 右=ガーリック・チキン・シュニッツェル。しっかりした下味がついていて美味しい。サラダのドレッシングも目覚ましい進歩を遂げている。£14.50
左=スティッキー・トフィー・プディングwithカスタード。まるでアンコのような味わい。全く期待していなかったが裏切りの美味しさに思わず笑顔。£6.50 右=ジョージ・オーウェル(1903 - 1950)。社会主義者でスペイン内戦に自ら参戦するもスターリンに失望してアンチ全体主義者に。小説「1984」はその辺りから生まれた。

総合評価 3.9

 

食事

 

サービス

 

雰囲気

 

お値段(1人分・ドリンク抜き)

£20~25

The Dog and Duck

18 Bateman Street, London W1D 3AJ
Tel:020 7494 0697
www.nicholsonspubs.co.uk/restaurants/london/thedogandducksoholondon#/

Opening hours

Mon-Thu Midday-23:00
Fri-Sat Midday-Midnight
Sun Midday-22:30

[powr-reviews id="a5ff9029_1663076133"]

週刊ジャーニー No.1256(2022年9月8日)掲載


その他の記事