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■ 第129話 ■党首選にもポリコレ!?

▶ジョンソン英首相が辞任を表明。保守党党首選が始まった。イギリスの今が垣間見えて面白いので今週も脱線ゴー。先週火曜日、本紙編集部では「11人出馬」で入稿準備を進めていた。ところが登録が締め切られた12日(火)午後6時過ぎ、蓋を開けてみると登録者は8人に減っていた。原稿差し換えで大慌て。グラント・シャップス運輸相がギリギリで出馬を断念し、ドミニク・ラーブ副首相と共にリシ・スナク前財務相の支持に回った。シャップス氏もラーブ氏もユダヤ系。スナク氏はゴールドマンサックスやヘッジファンド勤務を経て政界入りし、財務相に昇りつめた人物。つまり、そういう勢力の人々はスナク氏を今回の勝ち馬と見て乗っかったということかしら。

▶候補者の顔ぶれを見て「一体どこの国の選挙?」と驚いた人も多かったと思う。アングロ・サクソンどこ行った? 筆者も「こんなところにも多様性とやらが蔓延しているのか」と茫然。数週間前に映画「トップガン」最新作を観た。米海軍エリート飛行士訓練校の頂上にいる生徒たち。白人男性の他、女性、黒人、東洋人が満遍なく散りばめられていた。政治的に正解(ポリティカル・コレクトネス:ポリコレ)なんだけどウソ臭い。数年前にミュージカル「レ・ミゼラブル」を観た。フォンティーヌを演じていたのは韓国人女優だった。舞台はナポレオン没落後、混とんとするフランス。実力派の女優さんだったけど、東洋人顔のフィンティーヌに頭の中が大混乱。別の舞台のポスターを見た。ヘンリー8世の2番目の王妃、アン・ブリンを描いた作品だが、アン役の女優は黒人。トップガンやレ・ミゼはフィクションだけどアン・ブリンは実在の人物。政治的に正しくとも歴史の歪曲だ。北条政子を黒人女性が演じるようで違和感半端ない。しかし今は事実よりポリコレが優先される時代らしい。

ペニー・モーダント
「最もセクシーな国会議員」と言われたこともあるペニー・モーダントですが、何か?

▶差別的にならないように気を配りながら進める。8人の候補者。スナク前財務相とスエラ・ブレイヴァーマン法務長官はいずれもインド系。ケミ・ベイドノック元平等担当相はナイジェリア系。ナディム・ザハウィ財務相はイラクからの移民だがクルド系。8人のうち4人が移民の子であり、有色人種。残る4人は白人だがトム・トゥーゲンハート下院外交委員長はユダヤ系。筆者知る限りジェレミー・ハント元保健相、ペニー・モーダント外交政策担当相とリズ・トラス外相の3人だけが〇〇系がつかないイギリス人。さらに候補者8人のうち半分の4人が女性。保守党は人種、宗教、性別、肌の色に偏ることなく優等生的にバランスの取れた風の候補者を並べた。あとは投票で泡沫候補を削ぎ落していけば良い。そんな中、唯一アングロ・サクソン系男性候補だったジェレミー・ハント氏が1回目の投票であっさりふるい落とされたのは衝撃的だった。日本語を流暢に話すハント氏を筆者は密かに推していたが、あまりの人気のなさに、ハ~イと元気良く挙げていた推しの手を赤面しながらそっと下げた。

▶7月19日午後4時現在、男性1人、女性2人、計3人の候補が残ったが、最終的にはスナク氏にモーダント氏かトラス氏のどちらかが挑むといった様相(違ったらゴメンね)。最後は全国に約16万人いる保守党員の投票によって新党首が決まる。彼らが英国史上初となるインド系首相の誕生を容認するか否か。イギリスの「明日はどっちだ!」ってところで次号に続くぜ。チャンネルはそのまま。

週刊ジャーニー No.1249(2022年7月21日)掲載

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