終戦直後にチャーチルが描いた絵、初の競売に

ウィンストン・チャーチル卿が第二次世界大戦のヨーロッパ戦線における勝利後に描いたとみられる絵が初めて競売にかけられることになった。「デイリー・テレグラフ」紙が伝えている。
『Villa on the Nivelle』と名づけられたこの絵=写真左=は、総選挙が行われた1945年7月5日から、その結果が発表された7月26日までの間の、短い休暇中に描かれたものとされる。ちなみに、ヨーロッパ戦線がドイツの降伏をもって『終戦』を迎えた直後に行われたこの選挙では、チャーチル卿は労働党に思わぬ敗北に帰すこととなった。
この休暇でチャーチル卿は、ブルティネル准将から招待を受け、妻のクレメンタインさんと共にフランスのバスク地方にあったシャトー・ドゥ・ボーダベリーを訪れたとされる。
戦時中、首相を務めたチャーチル卿は、芸術をこよなく愛したものの、1939年9月のヒットラーのポーランド侵攻からほぼ5年のあいだに描いた絵はわずか1点。
しかし、一緒に城へ招待されたマーガレット・ナイアンさんから再び絵筆を取るように勧められたとされる。マーガレットさんは当時英国領事としてボルドーへ赴任していたブライス・ナイアンさんの妻で、プロの画家だった。
チャーチル卿の絵は、ロンドンの競売商クリスティーズで5月26日に行われる競売にかけられる予定で、最高落札額は30万ポンドと見込まれている。また、この絵に取り組むチャーチル卿の姿を捉えた珍しい写真も残っているという=同右(いずれも「デイリー・テレグラフ」紙より)。
2007年には、チャーチル卿がケントの自宅周辺を描いた風景画『Chartwell Landscape with Sheep』が、記録的な100万ポンドで落札されたことがある。
チャーチル卿が絵を描き始めたのは40代後半に入ってからといわれているが、歴史研究家のアンドリュー・ロバーツさんは、「絵画は、彼が『黒いイヌ』と揶揄された不遇時代に、嫌なことから開放してくれる癒しの時間を与えたのだろう」と話している。

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