VOL.6
英国のEU離脱に伴う変更についてーその2ー
英国がEUを離脱した後、「移動の自由」はどうなる? 日本人への影響は?
欧州連合(EU)のトゥスク大統領が、9月26日にロンドンを訪れ、メイ首相と会談し、英国のEU離脱(ブレグジット)について協議したことが伝えられるなど、ブレグジットに関するニュースが流れない日はないといっても過言ではない今日この頃。EU側が2019年3月の離脱時期までに要求する約600億ユーロの支払いをめぐり、激しい攻防が繰り広げられていることはご存知のとおりです。繰り返しになりますが、加盟国が離脱するという事態になったのは、EU発足以来のことであり、離脱がどのように実現されていくのかについてもまだ全く先が見えていないのが実情です。英国側、EU側双方の思惑が錯綜する中、在英邦人の皆さんも落ち着かない気持ちを抱えておられることでしょう。
今回も、国民投票の際に一番の争点となったといえる「移動の自由(Free Movement)」、つまり移民の問題に関して、引き続きお届けすることにします。
英内務省(ホーム・オフィス)が公開した、EU離脱後の英国人およびEEA国籍者の権利に関する立案書の中で、特に重要な2点は次のように集約されることを前号でお伝えしました。
①EUから正式に離脱した後、人の移動の自由(Free Movement)は廃止される。
②現行のEEA(※)規定下で発行された英国に滞在するEEA国籍者に対するイミグレーション・ステイタスを証明する書類は、全て無効とする方針である。
※EEA(European Economic Area=欧州経済地域)…EU加盟国に加え、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーもメンバーとなっている。

これらの項目に大きなショックを受けた人は少なくないはずです。ただし、このような大きな法改定・措置には移行期間を設けると言及されています。さらに、移行期間中は、新法制に則って新たに手続きをする必要がでてくるとはいえ、現在のステイタスを保持できるとも述べられています。
今後、徐々に具体的な道すじが示されていくことになるわけですが、ひとつ明らかなのは、EEA国籍者はもちろんのこと、EEA国籍者の家族として滞在している日本人をはじめとする非EEA国籍の英国滞在に大きな影響が及ぶということです。
EEA国籍者の家族で非EEA国籍者が英国に滞在するためには、「EEA Family Permit」や「Residence Card」あるいは「Permanent Residency」などといった滞在許可を申請し取得することが求められますが、これらの申請はすべてEEA規制下によって審査されています。
EU離脱にともない、EEA国籍者が新法制下で滞在証明を得なければならないということになれば、同時にその家族もまた新たに滞在許可を申請しなければならないことを意味します。
EU離脱後の新法への移行期間は約2年と見込まれていますが、その間に生じ得る混乱や影響が甚大なものになるであろうことは容易に予想されます。
今すぐというわけではなくとも、非EEA国籍者の家族とともに離脱後の英国滞在を考えている場合は、申請可能であれば「Permanent Residency」を申請しておくこともひとつの方策として考えられるでしょう。

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