「ジェンダーフリー・トイレ」は逆に不公平? 女性から抗議の声

世界的にLGBT(性的マイノリティー※)に対する、社会の理解が深まり、その権利を保護する動きが高まりつつある現状を背景に、「ジェンダーフリー・トイレ」(性別にとらわれず利用できるトイレ)の普及が進んでいる。その傾向は英国でも顕著だが、女性側から「やりすぎ」だという反発の声も上がっている。「デイリー・メール」紙が報じた。
警察署から劇場に至るまで、男女が兼用で使えるトイレの設置が試みられつつある。ロンドンの複合文化施設「バービカン・アート・センター」もそのひとつで、男性用トイレを「小便器のあるジェンダーフリー・トイレ」、女性用トイレを「個室のあるジェンダーフリー・トイレ」と改称してジェンダーフリー・トイレとして扱う計画を進めていたが、強い批判を受けてこの計画を見直すことを発表する事態になった。
同計画への反発の声は主に女性からあがった。BBC司会者のサミラ・アフメド氏は、「女性はすでにトイレに並ぶ時間が長いのに、さらに状況が悪化する」と批判。男性は「個室のあるジェンダーフリー・トイレ」に並ぶことも可能だが、女性は「小便器のあるジェンダーフリー・トイレ」で用を足すことはできず、事実上、女性が利用できるトイレの競争率が増すことを意味するというのがその理由だ。
元保守党国会議員のアン・ウィデカム氏はこの計画を「大変残念」とし、「ごく少数派の人々の不平には(社会は)もう十分応えていると思う」と意見を述べた。
「『ユニセックストイレ』と呼ばれるものはこれまでにもあった。だが多数の人が利用する施設にこれを導入する時は、以下の問題を考える必要があると指摘されていいる。1.列に並ぶ時間の長さ、2.プライバシーの尊重(トイレの個室から出たときに異性が目の前にいる、あるいは異性の出たすぐあとに個室に入るという状況を、受け入れることが難しいと感じる人もいる)。
同氏はさらに「同施設には当てはまらないかもしれないが」と前置きした上で「女性にとっては、夜遅くに同じトイレ内に男性と一緒にいることについて、身の危険を感じる可能性もある」と分析。
マイノリティーの人々の権利を守るのは重要なことだが、すべてのトイレを男女兼用にすることが果たして適切かどうか。公共施設はこの問題に対して繊細な対応が望まれる。
※性的マイノリティー…女性、および男性の同性愛者、両性愛者、性同一性障害の人を含むトランスジェンダー、すなわち性別移行者といった、性的少数派。

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