2年間の修復を終え、再公開! ペインテッド ホール

グリニッジの旧王立海軍学校内にある圧巻のペインテッド・ホールが2年間の修復を終え、3月23日に再びオープンした。早速、足を運んだ。

英国史において強烈なインパクトを残すヘンリー8世と、娘のエリザベス1世が生を受けた今はなきグリニッジ宮殿。その跡地で18世紀初頭、「グリニッジ・ホスピタル」が誕生した。現在、旧王立海軍学校として知られている施設だ。病院と名はついているが、当時ウィリアム3世と共同統治を行っていたメアリー2世が、退役海軍兵の住まいとして作るよう命を下したもので、当代きっての建築家クリストファー・レンと助手のニコラス・ホークスモアが設計を担当。完成から300年を経た今も、テムズ河から望む一対のドーム型の屋根を持つ建物は、グリニッジを特徴づける光景として輝きを放っている。
この中にあるのが今回再公開された「ペインテッド・ホール」。チャツワース・ハウスでの仕事を終えたばかりだった若き画家ジェームズ・ソーンヒル=右図=が1707年から19年の歳月をかけて、天井と四方の壁に絵画を施した部屋だ。

850万ポンドをかけた2年間におよぶ修復プロジェクトでは、絵画の汚れを落とし、塗料を保護する作業を実施。3月23日に新たな輝きを取り戻して再公開が始まった。
ホール内は、玄関ホールとロウワーホール、アッパーホールに分かれ、マルチメディア・ガイド(日本語あり!)を手に見学。マルチメディア・ガイドの案内のもと、王室の権威と海軍力を示すプロパガンダ的な要素を含んだとされる絵を読み解いたり、絵に紛れ込んだ一般水兵やソーンヒル自身を探したりと、アートに詳しくなくても十分に楽しめる興味深い仕掛けとなっている。中央に置かれた椅子に寝転がって天井画を眺めるのもおすすめ! グリニッジ散策と合わせて出かけてみては?(写真・文/西村千秋)

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Painted Hall
Old Royal Naval College, Greenwich, London SE10 9NN
入場料:11ポンド~
www.ornc.org/history-of-the-painted-hall

週刊ジャーニー No.1080(2019年4月04日)掲載