車の往来が激しいハイ・ホルボーンに面したエドワード朝様式の壮麗な建造物の一角に、通りの喧騒を一瞬にして忘れさせてくれる空間がある。アーチ型の入り口を抜けてすぐ右手にある回転扉を押すと現れるのが、そのバー「スカーフェス」だ。

ダークブラウンを基調とし、革やベルベット張りのソファ、アームチェアが配置された重厚感のある雰囲気。本棚にはアンティーク本を並べ、「紳士の書斎」をイメージした内装なのだというが、所々に置かれた暖色系のインテリアのおかげで軽やかでモダンな印象も。

現在提供中のカクテルは、音楽をテーマに「クラシック」「ロック」などのジャンルに分け、それぞれを代表するアーティストに着想を得たものを2種類ずつ。「ローズウッド・ホテル」に隣接されるがゆえか値段は18〜23ポンドと少々高めだが、誰かと親密な時間を過ごしたい特別な夜に選びたい、大人のバーと言えそうだ。

趣味がわかる!? カクテル・メニュー
写真左は、スパイス・ガールがテーマの「ポップス」から、ジンとグレープフルーツを使った「Tell me what you want」。注文するとスパイス・ガールズの誰が好きか尋ねられ、それぞれに合わせた仕上げが施されて提供される。同右は「ジャズ」(ルイ・アームストロング)からウィスキー・ベースの「Satchmo's」。何を選ぶかでその人の音楽の趣味が見え隠れして、ちょっぴり楽しめる。
由来は風刺画家ジェラルド・スカーフ
屋号に掲げる「スカーフェス」は、大手新聞などに風刺画を発表している画家ジェラルド・スカーフの名を借りたもの。店内には彼の絵が飾られるほか、メニューにも登場し、バーの個性を際立たせている。

Scarfes Bar スカーフェス・バー

252 High Holborn, WC1V 7EN
最寄駅:ホルボーン駅
月~日:午後4時~深夜
※午後8時頃からソウル、ジャズ、ブルースの生演奏が行われる。
https://scarfesbar.com

週刊ジャーニー No.1122(2020年1月30日)掲載

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