Q244貴族の邸宅にある古い図書室、本の背表紙が奥を向いてたけど?

Aほぉぉ~! なかなか伝統を重んじた古き屋敷に行ったのじゃな。本の中身がわかりやすいように、書名のある背表紙を手前にして並んでおるの通常ゆえ、奇妙に思ったのじゃろうが、実は16世紀頃までは背表紙が棚の奥を向いた並べ方が一般的だったのじゃ!
当時は書名・著者名は表紙や1ページ目などに記され、背表紙には何も書かれておらんかった。むしろ革製で傷みやすいゆえ、光や摩擦から保護しようと、今とは「逆向き」に仕舞っておったのじゃよ。
それに、暗い色の革だと見た目が地味じゃからのぅ。ページの側面に金を施せば、ずら~っと並べたときに煌びやかじゃろ? そうした意味合いもあったのじゃ。もちろん、虫・ネズミよけ対策でもあったのじゃがな。
ちゃーんと理解したか? ちょいとマニアックな質問じゃったのぉ。しっかり覚えておかんと、首はねちゃうぞー!
週刊ジャーニー No.1389(2025年4月17日)掲載
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