Q97なぜロンドンで、こんなにキツネを見かけるの?
Aふむ。夜道をササッと横断したり、家の庭にたむろしたり、繁殖期には金切り声で夜中に起こされたり…。今やロンドンの住宅街でキツネを見かけるのは「よくあること」じゃな。 ロンドンにいるのはアカギツネ(Red Fox)で、最初に彼らが街中で確認されたのは第一次世界大戦後じゃ。交通システムが発達し、かつて田舎だったエリアが住宅街として開発されゆく中で、キツネたちは郊外へ逃げることなく、人間と共存する住環境にすぐに順応してしもうた。
じゃから、今いるのはロンドンで代々生まれ育った都会っ子、通称「Urban Fox(都会のキツネ)」と呼ばれておる。ゆえに、人間や文明の利器をまったく恐れないのじゃ。
現在ロンドンには約1万匹のキツネが生息しておるそうじゃ。実は毎年、その60%が交通事故死するが、まったく数は減らん。英国全体での数は減少しておるものの、人間が多い都会は食料も多いゆえ、続々と上京しておるんじゃな。
ちゃーんと理解したか? 覚えておかんと、お主の首も狩っちゃうぞ!
週刊ジャーニー No.1230(2022年3月10日)掲載
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