保守党大勝利のあとで、ブレグジットはどう進む?

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■12日に実施された英総選挙は保守党が下院(定数650)で過半数議席を獲得。保守党にとって1987年以来最大の過半数を占めることとなった。BBCなど英各メディアが報じた。

 

保守党は365議席(プラス47)を獲得。労働党は203議席(マイナス59)となった。スコットランド国民党(SNP)が48議席(プラス13)、自由民主党は11議席(マイナス1)、北アイルランドの民主統一党は8議席(マイナス2)、シン・フェインは増減なしの7議席、ブレグジット党は議席を獲得できなかった。労働党にとって今回の総選挙の結果は1935年以来最悪の結果となった。
英国が欧州連合(EU)から離脱する期日は現在のところ年が明けてすぐの1月31日。現時点でボリス・ジョンソン首相の離脱協定案は議会で承認されていないが、保守党が過半数議席を獲得したため離脱協定案は比較的容易に可決されることになりそうだ。英国がこのまま来年1月末にEUを離脱した場合、次の段階で非常に複雑なプロセスが待ち受ける。

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最優先事項はEUとの通商交渉となる。英国は可能な限りEUの物やサービスへのアクセスを獲得したいと考えている。その一方で保守党は英国がEUの関税同盟や単一市場から離脱し、欧州司法裁判所の管理下から完全に脱退する意思を明確にしている。
EUに加盟する27ヵ国とEU議会が正式な交渉の信任に合意するまでに数週間を要するとみられ、交渉が始まるのは3月になると見込まれる。これらの通商協定は6月末までに合意に達している必要がある。6月末までに合意に至るのが困難と思われる場合は、英国は移行期間の延長(1年か2年)を決定しなくてはならない。ただしジョンソン首相は延長はしないと明言している。6月末までに通商協定がまとまらない場合、英国は協定のないまま2020年末に移行期間を終えることとなる。一方、仮に協定がまとまった場合でも批准手続きには数ヵ月かかる見込み。
これほど短期間で、これほど大規模で複雑に入り組んだ通商協定を人類がまとめきった例は過去になく、それだけに相当な困難が予想される。
ジョンソン首相は、英国はEU側のルールを完全に準拠するため、交渉はそれほど難航しないと主張している。しかしそのEUのルールから離脱して他国との協定を結ぶ自由を得ようとする英国の考えは、交渉に相当な困難をもたらすだろうとの批判もある。
解決が必要とされるのは何も通商協定だけではない。英国は依然、EUとの安全保障や司法の面でも協力を進めていかねばならない。さらにEU加盟国間で本国送還の交渉をせずとも犯罪者の逮捕や収容を要請できる欧州逮捕状枠組みからも外れてしまうため、その代わりとなる合意が必要となる。

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