ヘンリー8世のヒゲ…生やしたのは○○のため!

■ 英王室史のなかでも、もっとも有名な君主、ヘンリー8世(在位1509~47年)。肖像画に描かれた壮年期の同王は、立派な口ひげをはやしている。実はこのひげ、ある人物に敬意を表してたくわえたものだとする説が発表され、話題となっている。「デイリー・テレグラフ」紙が伝えた。

プランタジネット朝の君主ヘンリー5世の時代から、イングランド君主は顔ひげをきれいにそるのが慣習だったとされている。しかし、1520年にカレーで催された仏君主との首脳会談「The Field of the Cloth of Gold(金襴の陣)」に列席するにあたり、ヘンリー8世は、当時の仏王フランソワ1世に敬意を表し、同仏王をまねて自らも口ひげをはやすことにしたという。
大国フランスに対し、当時のイングランドは弱小国。この「金襴の陣」は、1518年に不可侵条約である「ロンドン条約」が結ばれたのを受け、イングランドとフランスとの親交を深めるために行われたもので、イングランドにとっては、背伸びして国力をアピールする格好の機会。見得の張り合いの場ともなり、2週間にわたって音楽、武術競技などを含む盛大かつ華やかなイベントとなったことが記録に残っている。
この時、ヘンリー8世は29歳。17歳で即位してから、常にひげはきれいにそりあげてきたが、これを境にイングランド宮廷では口ひげブームが再燃することになったと、チューダー朝研究家、トレイシー・ボーマンさんは説明する。ただ、1番目の妻、キャサリン妃(キャサリン・オブ・アラゴン)はこのひげを快く思っておらず、そってほしいと頼んだものの、ヘンリー8世は聞き入れなかったとされている。

By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)