■1900年から約2年間、ロンドンに留学した明治の文豪、夏目漱石(1867~1916年)。その英国滞在時に関する資料を集めた「ロンドン漱石記念館」が、32年の歴史にいったんピリオドを打ってから2年半。館長の恒松郁生(つねまつ・いくお)氏(67)が、5月8日(水)に同館の再オープンを実現させた。
新しい記念館は、恒松氏が南ロンドンのサリー県にある自宅の一部を改装して展示室・資料室のスペースを確保。ロンドン滞在中の漱石の足跡を示す品々、各国で翻訳・出版された書籍など、1万点以上が閲覧できる。今後は研究者を主要な対象とする意向で、毎年3~8月、事前予約制で見学希望者を受け入れる予定。
1974年に渡英した恒松氏は鹿児島県出身。ロンドンで暮らすうちに漱石に惹かれるようになり、研究に没頭。資料集めや記念館運営に私財を投じてきた。今上天皇も、英国留学中だった皇太子時代に記念館を訪れられたことがあるという。
新記念館について、恒松氏は「漱石研究の新しい糸口を提供し、漱石の作品をさらに深く理解するための一助となる場所としたい」と話している。
【ロンドン漱石記念館】
開館期間:3~8月下旬まで
開館日:水・土・日(完全予約制)
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By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)