ホンダ、スウィンドン工場閉鎖のニュース、衝撃おさまらず!3500人が失職の見通し

ホンダの八郷隆弘社長は19日、記者会見で2021年中に英ウィルトシャー、スウィンドンにある生産工場を閉鎖すると発表した。これにより3500人が失職する見通し。八郷氏は会見で「ブレグジットとは関係ないものとご理解ください」と何度も強調した。「合意なき離脱」を撤退理由とすれば、英国内で批判が高まるのは必至。ホンダのブランドイメージ失墜を懸念したためとの見方もある。BBCなど英各メディアが報じた。

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ホンダのスウィンドン工場の敷地は、かつて飛行場だった。1985年、ホンダはこの敷地を買い上げ、ヨーロッパの拠点として操業をスタート。当初は納車前の車の検査を行っていたが、1989年にエンジンの製造を開始。1992年には自動車の生産ラインが整い、「アコード」「ジャズ(日本名シティ)」、「CR―V」、「シビック」などを生産してきた。2001年には工場を拡張。生産能力を年間25万台まで引き上げたが、昨年はシビックを16万台生産するに留まっていた。
英国最大の労組「ユナイト」は「工場閉鎖は衝撃的なボディーブローだ」と感想を述べ、「ブレグジットに対する頑なで融通のきかない方針が、混乱と先行き不透明感を創出してしまった」とメイ首相を批判した。一方、発表前にホンダの関係者と話す機会があったというスウィンドン選出の保守党下院議員は、ツイッターで「世界的な業況に基づいた判断であり、ブレグジットが原因ではないとホンダは明言している」と反論した。

EPAが引き金?
業界紙「オートカー」のジェイムズ・アトウッド副編集長は「日本とEUの間で発効したEPA(経済連携協定)が、ホンダの工場閉鎖決定の決め手になったのではないか」とみる。EPAにより、現在10%の輸入車への関税が2027年までに完全に撤廃される。そうなると、日本で製造しても関税なしでEU域内で販売することが可能となり、英国に製造拠点を置く意味が希薄となる。ホンダが本拠地をEU域内に移すのではなく、日本に戻すのはそのためだろうとコメントしている。
BBCのビジネス部門編集長、サイモン・ジャック氏は「ソニーもパナソニックも、理由はそれぞれ違うが、欧州本部をEU域内に移した。英国がブレグジットに確実性を示すことができなかったことが、日本との繋がりを弱いものにしてしまったのではないか」と述べた。
2016年の国民投票でブレグジットが決まって以来、日本政府や駐英日本大使、日系企業の上層部はブレグジットの不透明感や、英国とEUの間で円滑な貿易が喪失されることの悪影響を警告し続けてきた。それに対して英国側が明確な姿勢を未だに示せていない責任は決して小さくない。

By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)