
V&Aとボウイといえば、日本を含む世界各地で巡回を行い、大成功をおさめたエキシビション「David Bowie Is」(2013~2018年)が記憶に新しい。そしてボウイの遺産管理団体「デヴィッド・ボウイ・エステート」などから引き継がれた9万点に及ぶアーカイブ資料のなかから、厳選された約200点のアイテムを常時展示するのが、このデヴィッド・ボウイ・センターだ。
入口を入ってすぐの左側では、ボウイがポップカルチャーに与えた影響を、レコードやCD、本、写真などで紹介している。また、右側にあるスタディ・センターでは、通常は展示されていない資料を最大5点まで予約閲覧することが可能。



メインの展示スペースには、テーマごとにさまざまなオブジェクトが並ぶ。アレキサンダー・マックイーンと共同でデザインしたフロックコート、山本寛斎とフレディ・バレッティがそれぞれデザインしたジギー・スターダストとアラジン・セインのステージ衣装が目を引く。ほかにも、世界初公開の未完音楽プロジェクト「ザ・スペクテイター」の制作資料やジギー・スターダスト時代のギター、楽器・音響機器、写真、手書きの歌詞、スケッチ、メモ書きなど、その種類は多岐にわたる。また、1995年からボウイのバックバンドで活躍した女性ベーシストのゲイル・アン・ドーシーに焦点を当てたコーナーや、プロデューサーのナイル・ロジャースがゲストキュレーターを務める企画展示もある。
ミュージシャン、アーティスト、作家、デザイナー、俳優など、類稀なるクリエイターとして時代を牽引し、ポップカルチャーに影響を与えたボウイ。1964~2016年までおよそ50年間に及ぶキャリアとクリエイティビティを振り返る同センターは、昔からのコアなファンにも、彼を初めて知る若い世代にも、新たなインスピレーションを与えてくれる。なお、今年2月からセンターの事前予約は不要となった。入場無料で好きな時間にふらりと訪れ、思う存分にボウイの音楽と創造の世界に浸ることができるとは、なんと贅沢な体験だろう。
David Bowie Centre

V&A East Storehouse(Level 2)
Parkes St, Queen Elizabeth Olympic Park, Hackney Wick, London E20 3AX
入場無料
www.vam.ac.uk/exhibitions/david-bowie-centre
今年のトリビュート・イベント
「David Bowie : You’re Not Alone」
Lightroom


1973年に行われたハマースミス・オデオンでの伝説のコンサートをはじめ、ライブ映像や貴重なインタビュー、プロモビデオを中心に、写真、ドローイング、歌詞など、デヴィッド・ボウイの世界を360°でイマーシブ体験。会場の11メートルに及ぶ巨大な壁に映し出されるボウイのパフォーマンスが圧巻だ。また、ボウイに影響を受けたミュージシャンやアーティストが出演するプログラム「ボウイ・ナイツ」も開催。
「David Bowie Tribute Concert」
O2 Arena

英メディアの3月の報道によると、デヴィッド・ボウイの没後10周年を記念し、ロンドンのO2アリーナで追悼コンサートが企画されているという。出演が噂されているのは、世界を代表する若手ミュージシャンたち。ハリー・スタイルズ、ヤングブラッド、ロードらがボウイからの影響を公言している。収益は「ティーンエイジ・キャンサー・トラスト」など、音楽関連のチャリティー団体に寄付される。コンサートは7月に行われ、BBCが中継する予定。今後の続報を待ちたい。
週刊ジャーニー No.1442(2026年4月30日)掲載















